女子プロレス界に突如現れた彗星 男装アイドル→舞台女優…異色キャリアの天麗皇希がマリーゴールドに入団するまで
制限からの解放を求めてマリーゴールドへ
アクトレスガールズは2021年いっぱいでプロレス団体としての活動を終了し、22年2月から新体制としてプロレスの技術を用いたスポーツエンタテインメント公演を行っていた。アクトリングもリングで行う舞台の一環だったため、アクトレスガールズを退団するまで皇希は“プロレスラー”にはなっていなかった。 「これは(アクトレスガールズ時代の)お客さんにもずっと言ってきたことなんですが、実は私はもともとプロレスラーになる気持ちはなかったんです。『ほかの団体から声かけられるでしょ?』といわれることもあったんですが、実際に声をかけられたことはなくて『女優1本だからプロレスラーにはならないよ』と伝えていたんです。でも、今年の3月に自分自身団体に対して「あれ?」と思うことがあって、モヤモヤしていた部分があったんです。加えて全日本プロレスさんの大田区(2024.3.30/大田区総合体育館)に出場して、やっぱり大きい会場でやりたいという欲が出てきてしまって。2年ほどアクトレスガールズでやってきて、一番大きい会場でも後楽園ホールだったり、やりたい舞台や仕事もできないこともあったりで、いろいろと活動に制限がかかっていたので、最終的に退団を決意しました」 実は皇希の思いを後押ししていた人物がいる。マリーゴールドの創始者、ロッシー小川である。 「小川さんがスターダムを辞めた後に、風香さんとほかのアクトレスのメンバーと一緒にこれからの活動について相談したことがあるんです。その中で私は舞台やほかの芸能活動も続けていきたいという気持ちを伝えたところ、小川さんは、プロレスは狭い世界だから兼業レスラーを許容していかないと市場が広がっていかないという考えで。どんどんほかの分野で名前を売ってもらえればいいと。それなら私もプロレスラーとしてやっていけると思って、決断した部分もありますね」 (4日掲載の後編へ続く)
橋場了吾