バスケ皇后杯、富士通が逆転で17大会ぶりのV…守備でリズム作り第4Qで猛攻
やり投げ・北口榛花も観戦
バスケットボール・皇后杯全日本選手権ファイナルラウンドは15日、代々木第2体育館で決勝が行われ、富士通が65―55でアイシンを破り、17大会ぶり4度目の優勝を果たした。序盤からリードを許す苦しい展開だったが、第4クオーター終盤に逆転。その勢いのまま得点を重ねて、突き放した。最優秀選手には、富士通の主将・宮沢夕貴が選ばれた。会場には、パリ五輪陸上女子やり投げ金メダリストの北口榛花(JAL)が観戦に訪れた。母親がバスケットボールの元選手で、自身もこの球技の大ファン。第1、2クオーターの間に場内で紹介され、モニターに映し出されると、笑顔で観客からの歓声に手を振って応えていた。 【写真】現在は減量中で「和菓子を一つだけ」毎朝食べるという北口榛花さん
司令塔・町田、徹底マークも「後半にチャンス」
昨季Wリーグの覇者で、今季は皇后杯とWリーグの2冠を目標に掲げる富士通が、まず一つ目のタイトルを手に入れた。主将の宮沢は「この優勝には価値がある。チームの自信につながる」と笑みを浮かべた。
前半は苦しんだ。司令塔の町田瑠唯が徹底的にマークされ、思うように攻められない。守備でもアイシンのエース・渡嘉敷来夢を止められず、ゴール下を警戒するあまり、外から3点シュートを決められた。第2クオーター終了時点で9点差をつけられていた。
しかし、町田は「どこかのタイミングで(相手のマークも)緩くなるだろう。自分たちも粘れていたので、チャンスは後半に出てくる」と考えていた。堅い守備からリズムを作り、徐々に差を詰める。第4クオーターの終盤、江良萌香の3点シュートでこの日初めてリードを奪うと、そこからは猛攻を展開して押し切った。
町田は前半の劣勢を反省して、「もう一度チームとしてレベルアップして、リーグの後半戦に臨んでいきたい」と気を引き締めた。現在、15勝1敗で首位に立つWリーグでも、勢いを増していけそうな勝ち方だった。(田上幸広)
アイシン渡嘉敷が奮闘
初の4強入り、初の決勝進出と、快進撃を見せたアイシンだが、頂点には届かなかった。今季、ENEOSから移籍してきた渡嘉敷が、この日も21得点と奮闘した。悔しそうな表情を浮かべた渡嘉敷は「自分の第2章の始まり。この気持ちを忘れずにやっていきたい。自分自身もチームも、これからがすごく楽しみ」と前を向いた。
◆大会ベスト5=宮沢、町田、内尾聡菜(以上富士通)、渡嘉敷、野口さくら(以上アイシン)