<海に眠るダイヤモンド>10月期日曜劇場 70年前の端島を描く撮影の裏側 ドラマを超えた壮大なスケール 新井順子Pに聞く
第1話でリナ(池田エライザさん)が歌った階段がある“端島銀座”は、「あのセットを建てる場所を探すのにかなり時間がかかって。長期にわたって、倒れないように建てなきゃいけないので、しっかりとした躯体があるところを利用したんですけれど、とにかくセットを作るのが大変でした」と苦労を明かす。
“メガネ”といわれる、第1話で鉄平(神木さん)と進平(斎藤工さん)がサイダーを飲んでいたゴミ捨て場も「あそこも海沿いに建てていて。何もかも大変でした」という。「ただ、完成したら、本当にリアルな“まんま”(端島)で圧巻でした」と胸を張る。
端島はコンクリートで囲まれた島のため、樹木や草など緑はない。特殊な環境を再現するのにも苦労した。
「(端島は)緑なき島なので、緑があるところにロケに行けないんですよ。だから、どこのロケ場所に行っても緑があるな、だめだなみたいになって」とロケ場所選びにも苦労した。普段使っていない校庭でロケするときも「草がいっぱい生えているんですよ。スタッフみんなで、一日かけて草をむしりました」という徹底ぶりだった。
演出の塚原さんは映像にもこだわり抜いた。端島にビリヤード場があったり、映画館があったり、美容院があったりとワンカットずつ紹介する第1話の場面でも「実際の写真を使うという話もあったんですけど、(塚原)監督が実写にしたい、と」とこだわり、ワンカットのために装飾を施し再現した。
「こだわり抜いただけあって、リッチになったし、端島の街にはこういう場所があったんだというのが想像しやすくなった。毎日のようにトラックが6台ほど来ているとか、移動に5時間半かかったなど、美術さんをはじめスタッフは本当に大変だと思うんですけど、いい画(え)が撮れてるなと。『映画並みですね』と周囲に言われました」
◇現場には泳げるくらいの大きなプールが
第2話では台風の場面が登場する。ここでもリアル感を出すために大量の水を使う大がかりな装置を設置した。