【卓球】パリ五輪男子日本代表が出発前の羽田空港で意気込みを語る「良い経験も悪い経験も、全てがこのパリのため」(張本)
7月27日からスタートするパリ五輪卓球競技。日本代表の選手たちが18日、羽田空港からフランスへと出発した。搭乗前には男女両選手が報道陣の取材に対応。まずは男子日本代表の張本智和(智和企画)、戸上隼輔(井村屋グループ)、篠塚大登(愛知工業大)の3選手が五輪への意気込みなどを語った。 ⚫︎以下男子代表選手囲み取材の内容 ーこれからパリに旅立ちますが、今の心境を教えてください 張本:本当にいよいよですし、残り10日を切っています。この1週間の合宿で良い練習ができたので、残りは現地で疲れを取りながら全員が100%に持っていけるようにあとはやるだけかなと思います。 戸上:(張本選手と)同じ気持ちで、本当に近づいてきているなという感じもしますし、事前合宿ではかなり良い練習ができたので、それを発揮できるようにまた準備を進めたいなと思います。 篠塚:いよいよ始まるなという感じがして結構緊張感が出てきました。自分は団体戦だけで、まだもう少し時間があるので、最後までやることをやって試合に臨みたいと思います。 ーこの選考レースを含む3年間を振り返ってみて、どんな思いがありますか? 張本:本当に振り返るものが多すぎて、あっという間の3年間だった。特に一瞬一瞬を噛み締める余裕もなく、次の試合、目の前の試合に精一杯だった。みんなが目の前の試合を全力で戦ってきたからこそ、この3人が選ばれたと思う。間違いなく今の日本のトップ3ですし、今の僕たちなら団体でもメダルを取れると思う。この3年間やってきたこと、良い経験も悪い経験も全てがこのパリのためだと思うので、自分を信じて、仲間を信じてやるだけかなと思います。 戸上:過酷な選考レースを勝ち抜いた自信っていうのは、本当にパリに繋がると思いますし、自信を持って挑みたいなと思います。 篠塚:本当に色々あったなと感じています。自分は腰を故障したりと、卓球ができない時期もあったので、それを乗り越えられたということを、あとは最後後悔しないようにやり切りたいと思います。 ーパリ五輪はさまざまな競技の選手が集まりますが、会いたい選手はいますか? 張本:サッカーが好きなので、アルゼンチン代表の(フリアン・)アルバレス選手です。マンチェスターCが好きなので。オーバーエイジで出場するので、会えるかわからないですけど、会いたいといったら会いたいです。 戸上:バレーボールの選手。最近までネーションズリーグとかで試合を見ていた選手がオリンピックにも出ると思うので、バレーボールの選手に会えたらなと思います。 篠塚:あんまり詳しくはないんですけど、バスケットボールの河村(勇輝)選手はプレーも見たことがあって、SNSをフォローしている選手なので会ってみたいです。 ー張本選手は東京五輪と比べると調子はどうですか。 張本:かなり落ち着いている方かなと思います。練習もやる時はやれてますし、やりすぎてもいない。精神的なプレッシャーや焦りはもちろん多少はありますけど、それがどうしようもないというところまでは行ってないので、本当にほどよい、いつもより多少緊張感が多いかなというくらいなので、悪くないですね。 ー戸上選手と篠塚選手は初めての五輪ですが、他の国際大会に出発する前と比べると緊張感はいかがですか? 戸上:普段のワールドツアーとはまたひと味違った大きな舞台ですし、すごい緊張感はあるんですけど、逆にこの不安だったりをワクワクに変えて大舞台を楽しみたいなと思います。 篠塚:(パリ五輪が)1日1日迫ってくるごとに緊張が湧いてきて、自分は緊張してしまうタイプなので、何かテーマを持って試合中にそのテーマをやれるように残りの数週間頑張りたいと思います。 ー団体戦で第4シードに入れたことについて、戦い方などはどうお考えですか? 張本:5~8位の国に対しては、どの国に対しても100%を出し切れば勝てると思いますし、準決勝は中国かドイツどちらと当たるかわからないですけど、メダルを取るにはフランスかドイツのどちらかには勝たないといけない。正直フランスに対してはダブルス・シングルスともに少し分が悪いですけど、ドイツに対しては悪くないと思うので、ドイツ側を引ければ銀メダルの可能性もありますし、中国側を引いても諦めずに決勝進出を目指したい。最悪3位決定戦も、東京でも戦っていますし、自分たちのプレーを90~100%出せればメダルの可能性は高いかなと思います。 戸上:第4シードを獲得できたのは張本選手のおかげだと思っていますし、篠塚選手も今強くなってきていて本当に信頼のあるパートナーなので、自分たちが100%、120 %の力を出せればメダル獲得が現実的になってくるし、もちろん中国に対しても勝つ気持ちを持って頑張りたいと思います。 篠塚:どの相手というよりは、自分たちがやることをやって、中国に勝つんだという強い気持ちを持ってやりたいです。そこまで相手は気にしないようにしたいです。 ー大会直前まで合宿があると思うんですけど、一番こだわっておきたい、確認しておきたいことなどはありますか? 張本:全体的に攻める意識。この技術というよりは、サービスからもレシーブからも自分が相手を支配できるように。攻める選手は基本的には勝てるので、最後は攻撃力を高めて、足を使った練習や攻める練習を増やしたので、残りは精度だったり安定性を現地で上げていければ良い調整になるかなと思います。 戸上:日本での事前合宿は練習量やトレーニング量も増やしてこれたので、フランスでの事前合宿では基礎を再確認できたらなと思います。 篠塚:自分自身は調子が良い状態で持ってこれていると思うので、このまま続けて最後までやれることをやっていきたいと思います。 団体戦ではリオ、東京に続く3大会連続のメダル獲得を目指すとともに、シングルスでは張本と戸上が日本男子では史上2人目となるシングルスでのメダル獲得を目指す。