俳優ヨハンソンさん、オープンAIの音声削除求め弁護士雇う
(ブルームバーグ): 米俳優スカーレット・ヨハンソンさんは20日、オープンAIのチャットボット「ChatGPT」について、あまりにも自分の声に似ている人工知能(AI)音声の削除を求めるため「弁護士を雇わざるを得なかった」と明らかにした。
発表文によると、ヨハンソンさんは昨年9月、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)から、ChatGPTの音声機能の声を担当しないかとの依頼を受けたが、「よく考えた末、個人的な理由で 」このプロジェクトに参加しないことを決めた。
アルトマン氏は依頼の中で、ヨハンソンさんが「システムの声を担当することで、ハイテク企業とクリエイターの橋渡しができ、人間とAIを巡る劇的な変化を消費者が違和感なく受け入れることを後押しすると感じていると説明した」という。
先週、オープンAIは新しいオーディオ機能を発表し、「Sky」と呼ばれる音声などの実演を行った。ヨハンソンさんは「公開されたデモを聞いた時、私は衝撃を受けるとともに怒りがこみ上げた。私の声に不気味なほど似ている声を追求するアルトマン氏の姿勢に不信感を抱いた」と指摘した。
アルトマン氏は発表文で、Skyの音声は 「スカーレット・ヨハンソンさんの声ではなく、彼女に似せるつもりもなかった」と表明。オープンAIはヨハンソンさんに打診する前にSkyの音声を声優にキャスティングしたとし、「うまく伝えられなかったことについてヨハンソンさんにすまないと思っている」とコメントした。
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ヨハンソンさんは、2013年の映画「her/世界でひとつの彼女」でAIバーチャルアシスタント役を演じた。アルトマン氏は先週、同社の最新AIモデル発表直後に「her」という言葉をX(旧ツイッター)に投稿した。
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