メルセデス、Q1敗退に終わったハミルトンに謝罪「リスクは必要なかった。弁解のしようがない」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、ルイス・ハミルトンがF1アブダビGP予選で18番手で終わったことについて、チームのミスに弁解の余地はないと語った。 【リザルト】F1最終戦アブダビGP:スターティンググリッド ハミルトンにとって、アブダビGPは2013年から在籍していたチームでのラストレースとなるが、このレースで好成績を残すという望みがすでに絶たれたように見える。 ハミルトンはハースのケビン・マグヌッセンが跳ね飛ばしたボラードを、マシンの下に巻き込んでしまうという不運に見舞われ、パフォーマンスを発揮できなかったのだ。決勝では他車のペナルティもあり、16番グリッドからのスタートとなるものの実に不運だった。 しかしウルフ代表は、メルセデスがドライバーたちのアタックを遅らせたことがより大きな要因だと考えている。アタックを遅らせたことでより多くのトラフィックに見舞われたのだ。 ウルフ代表は『Sky』のインタビューに応じ、今回の出来事について怒りをあらわにし、チームがやったことに弁解の余地はないと語った。 「私はただルイスに謝らなければならない。彼のために素晴らしい最後を飾るために懸命に働いてくれたチームのみんなにもね」 「来年に向けた実験も兼ねてマシンのセットアップを選択したが、彼は速かった。我々が彼の脚を引っ張ったんだ」 「もっと早く出さなかったという愚かなミスだ。弁解できないよ……これほど落ち込んだことはない」 「彼との最後のレースを総括しているのかもしれない。でも、これは最悪の出来事だ」 ウルフ代表は、遅めに走ったほうが路面コンディションが良くなる可能性があるのは言うまでもないが、15番手以内のタイムを出せばいいQ1でリスクを冒すのは愚かだったと説明した。 「2台とも、他のトラフィックをかき分けながら走れたのはラッキーだったと思う。ボラードの件がなければ、うまくいったかもしれない」 「でもペースを上げやすかったQ1では、それほどリスクを冒す必要はなかった」 「このスポーツで最も価値ある、最も偉大なレーシングドライバーがQ1で敗退してしまった。彼との遺産がすべて台無しになるわけではないが、彼には申し訳ないとしか言いようがない」 ハミルトンはフリー走行でのペースから、マクラーレンに次いで表彰台を狙えるパフォーマンスがあると考えていたようだ。しかしハミルトンが後方からのスタートとなったことで、その望みが絶たれてしまったとウルフは語った。 「彼にはペースがあった。我々は表彰台を狙えると思っていた。彼はFP3で3番手だったしね。今となっては、彼のスタート位置を考えるとそれはほとんど不可能になってしまった」
Jonathan Noble