「何も残さない」と言っていた祖母が急逝。銀行口座に「2000円」の残金があったのですが、引き出すには手続きが必要なのでしょうか?
両親や祖父母などが亡くなると「相続」について確認する必要があります。しかし、生前本人から「残す遺産はない」と伝えられているケースもあるでしょう。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる? そのような場合、本人の銀行口座に少額のお金が残されていたら、どう対処すべきなのでしょうか。亡くなった人の銀行口座からすぐにお金を引き出すことは可能なのか、残高が少額の場合は放置しても問題ないのかなどについては、事前に確認しておいた方がいいでしょう。 本記事では、亡くなった人の銀行口座から少額のお金を引き出す方法についても詳しく解説します。
亡くなった人の銀行口座はどうなるのか?
亡くなった人の銀行口座は、凍結されてしまいます。そうなるとすべての取引ができなくなるため、お金はおろせなくなります。 名義人が死亡した情報が自動的に銀行に伝わるわけではないので、死亡後すぐに凍結されることはないでしょう。通常は、親族などが銀行に名義人が死亡した旨を連絡することで利用が停止される流れです。 では「その前にお金をおろしてしまえばいい」と思われるかもしれませんが、亡くなった名義人の口座は相続の対象になる可能性があるため、相続トラブルなどを防ぐためにも、凍結前に勝手にお金をおろすのは控えた方がいいでしょう。 ただし、民法第909条2項には「遺産の分割前における預貯金債権の行使」の定めがあります。当面の生計費や葬式の費用などが必要な場合は、仮払制度を利用して一定の金額の払い戻しが認められることがあるようです。 しかし、今回の事例では口座の残高がわずか「2000円」ということなので、この制度を利用することはないでしょう。
残高が2000円の場合、亡くなった人の銀行口座は放置してもいい?
今回の事例のように、亡くなった人の銀行口座に少額しかお金が入っていない場合だと、手続きが面倒に感じてそのまま放置してしまうこともあるかもしれません。 亡くなった人の銀行口座を放置した場合、休眠預金になる可能性があります。休眠預金とは長い間取引のない預金のことで、入出金の取引から10年以上移動がない場合が対象です。 このような口座は預金保険機構が管理することになり、預金を払い戻す際に複雑な手続きが必要になってしまいます。また、銀行によっては一定期間以上預け入れや払い戻しがない口座について、管理手数料が発生する場合もあるようです。