小池百合子都知事が都議会で自身に批判的な議員を退席させた?【ファクトチェック】
2024年3月13日の予算特別委員会の議論は 都議会の会議録によると、関口都議は、2024年2月に開かれた都議会の代表質問・一般質問で計28人が小池都知事に136問の質問をし、知事自ら答えたのは80問で56問は「答弁拒否」をしたと説明。「答弁拒否率41%どうお考えですか」と質問している。 関口都議はさらに「質問した28人のうち21人は知事の答弁率100%」と前置きした上で、「(その他の)7人の議員が知事へ質問したのは74問。このうち知事が答弁したのはたった18問」「知事の答弁拒否率76%」と追及。「知事に耳触りの悪いことをいう議員の質問は排除するのか」と重ねて質問した。 これらの質問に対し、都の政策企画局長は「二元代表制の下、議会においてはこれまでも、ご質問の趣旨に応じて執行機関側として適切に答弁しており、ご指摘には当たらないと思っております。地方自治法の逐条解説によりますと、議会の審議に必要な説明について職員等へ委任することは、執行機関側の任意であるとされております」などと答弁している。 この流れは、検証対象の動画にある通りだ。
3月26日の予算特別委員会での議論は 2024年6月19日現在、都議会は3月26日予算特別委の会議録・速記録を公開していないが、収録した映像は公開している。JFCはその録画映像を確認した。 1時間33分のうち、8分48秒ごろに内山真吾委員長が関口都議に関して「不穏当な発言の取消しを求める動議が文書をもって提出されました」と発言し、「関口健太郎委員の除斥について採決を行います」と採決している。 起立多数と認めた内山委員長は「関口委員は除斥することに決定いたしました」と発言し、関口都議が「何が不穏当だよ、表現の自由、言論の自由の侵害じゃないか」と声を上げ、野次が飛び交うなか内山委員長が退席を求める様子が映っている。 関口都議の退席後、映像の10分ごろから菅原直志副委員長が動議の趣旨説明をしている。 趣旨説明では、政策企画局長の答弁した地方自治法の解釈を肯定した上で「関口健太郎委員の『答弁拒否』『答弁差別』『質疑の排除』なる発言は、東京都議会議長の議事整理権に基づく発言を許可する権限を否定するものであり、議会の品位を著しく損なう言動であり、不穏当発言として断じて容認できません」などと主張している。 つまり、拡散した動画は、採決と動議の趣旨説明の順番を逆に編集している。