〈NZ不動産〉銀行金利7~8%、住宅平均価格100万NZドル超の厳しい状況…投資家の動きは?【現地バイヤーが解説】
そろそろ秋の空気を感じるニュージーランドのオークランドですが、住宅価格は一時期よりやや下がったものの依然100万NZドルを超えており、依然として一般の購入希望者には厳しい状況です。現地のベテランバイヤーが解説します。※本記事は、2024年2月5日現在の情報に基づいて執筆されています。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
12月の実績、オークランド地区の平均販売価格は105万NZドル
大学生を中心に、学校がまだお休みということもあって、ホリデーモードが漂うオークランドは、朝夕のラッシュを見る限り働く人は稼働しているものの、まだ日常は100%戻ってきていない雰囲気です。 そして、今年の夏は蒸し暑く、寝苦しい日々が続いていました。しかし、多くの家庭ではエアコンをつけておらず、わが家もエアコンはリビングのみで、寝室にはありません。なぜなら「暑い、暑い!」といっていたのもつかの間、いつの間にか涼しく、快適な気温が戻ってくるからです。青天の日中はまだ暑さが残るものの、風が出るとさわやかで、日も短くなり、秋を感じます。 そして、ビジネスのほうも大変でした。年末ギリギリまで契約交渉を行い、第一弾となる条件付き契約が成立後、1月後半には契約の完全成約で安堵したものの、それ以外も問い合わせのメールや電話はひっきりなしで、ホリデーどころではない新年のスタートでした。 2023年12月の実績データでは、オークランド地区の平均販売価格は105万NZドルとなり、一時期の125万NZドル台よりは下がりましたが、100万NZドル越えとなれば庶民には厳しい価格です。 今回の契約のうち、100万NZドル以下で成立した価格帯は、80万NZドルの前半、それも部屋数が4ベットルームある家族型物件でした。ファーストホームバイヤーに人気なうえ、投資家にも運営しやすいということで、絶え間なく問い合わせが来る状態です。 「買い手が出て、現在契約成立待ちです。別の物件が出たら連絡しますね」と伝えると、ちゃんと私が伝えた期日を覚えていて、その日の夕方に、状況確認と、購入の可否について再度電話がかかってくるほど、多くの方の興味を引いた物件でした。 銀行金利が7%~8%台と高いいま、100万NZドル以上の価格帯はなかなか買えません。共稼ぎで無理なく、あるいはなんとかローン返済できるラインが、この80万NZドル台なのだと思います。 もっと価格が低い70万NZドル台でも物件はありますが、やはり手狭です。買い手のほうも「懐が厳しくても、低い価格帯の狭い家は買わない」という意志の固さがあり、売り手と買い手それぞれの立場を考えて仲介するわれわれ営業マンは、セールストークの難しさに頭を悩ませています。 しかしながら、銀行金利は少しずつ低くなり、移民の数も今後増えるという見込みから、住宅不足の可能性を想定し、鋭く先手を打つ人もいます。新年ということもあり、投資活動をスタートする流れが出ているのです。 オークションで成功しなくても、その後に条件付きでオファーが出て、結果的に売買成立となることもあります。不動産業界はとにかく多忙です。
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