高校生が国歌独唱 コロナ禍の悔しさ、球児に気持ち重ね
19日午前9時から阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれた第93回選抜高校野球大会の開会式では、地元の県立西宮高の柏原雅さん(18)が国歌を独唱。2年ぶりのセンバツ開催をたたえるような伸びのある歌声で球場を彩った。 【選手宣誓をする仙台育英の島貫丞主将】 柏原さんは2020年全日本学生音楽コンクール全国大会声楽部門高校の部1位となったが、新型コロナウイルスの影響で幼い頃から入賞を目指していたほかのコンクールが中止になり一晩号泣。20年のセンバツ大会や夏の甲子園大会が中止になり、涙を流した球児たちと自分が重なったという。「大会が中止になり悔しい思いをした人の分まで、今年頑張ってほしい」。開会式ではそんな願いを込めて歌った。式典後は「選手たちの顔がはっきりと見えて、『悔いのない試合ができますように』という思いが頭をよぎった」と笑顔を見せた。4月からは東京芸大に進み、ミュージカル俳優になることが夢だ。「今回の経験は将来のステップにしたい」と前を見据えた。 司会は19年のNHK杯全国放送コンテスト朗読部門で準優勝し、20年のセンバツ大会で司会を務める予定だった長崎日大高の宝蔵寺花映さん(18)が「再登板」した。【隈元悠太】