【独占インタビュー】「町長がレイプするような人だから町に行くとレイプされる、と言われて……」 群馬・草津町長が虚偽の性被害を告発した新井祥子・元町議と戦った5年間
「議員から電子書籍の内容について『新井氏が町長に性被害を受けたと書かれている』と報告を受けた時、あまりにも驚いてカツ丼を噴き出して、『冗談ではないか』と問い返しました。しかし本当にそのように書かれていたんです」 5年におよぶ長い戦いが始まる瞬間だった。新井氏の主張を取材した報道機関は、町長にも取材をしていた。そのたびに自身が潔白である旨を伝えてきたが、これが報じられないことも多々あったという。新井氏には翌月の町議会で懲罰動議が発令され、除名処分となった。 町長は新井氏とフリーライターの飯塚玲児氏を名誉毀損で告訴し、また両名に加え、新井氏のサポートを行なっていた中澤康治元町議を相手取り民事訴訟を提起する。そんな町長や町へのバッシングが強まる決定打となったのは、2020年12月に開かれた外国特派員協会での会見だった。町長と新井氏が出席した会見だったが、「黒岩町長から性被害に遭ったことは事実です」という新井氏の発言が国内外に広く報じられることに。「セカンドレイプの町」というワードもインターネット上に広まった。 「草津は知名度もある、その町長のスキャンダルだから面白い、と世間に思われたんだと思います」
選挙のお願いだった
のちにフリーライター飯塚氏の刑事裁判の中で、新井氏が録音していた「2015年1月8日の町長との面会時」の1時間音声データが存在することがわかり、性的な行為をうかがわせる内容が記録されていなかったことも判明する。これを受け、同町の中澤康治氏が会長を務める「新井祥子元草津町町議を支援する会」が、町内折込やFacebook上で解散を発表。加えて、音声データについては新井氏から「15分しか存在しない」と聞かされていたことなどを明らかにした。 民事裁判では新井氏が証言を変遷させた。2023年11月1日に前橋地裁で開かれた民事裁判の第二回口頭弁論で「町長との肉体関係はなかった」とみずから認めたのだ。確定した民事裁判判決でも、肉体関係はなかったと認定されている。 そもそも“肉体関係があった”と新井氏が主張していた2015年1月8日の10時、なぜ彼女は町長に面会を求めたのか。町長が明かした。 「今も記憶しています。選挙のお願いでした。当時の町議であり草津の『時間湯』湯長でもあった男性A氏との関係が悪化しているため、その間を取り持ってくれないかという話をされたのです。当時は4月に選挙を控えていましたが、新井氏曰く、自分は選挙に弱く、議会の皆様の応援がなければ勝てないため、関係を修復したいということでした。