フランス国債の暴落、欧州債市場の序列覆す-政治と財政の重要性示す
今月末に予定される総選挙は、マクロン氏の経済政策を巡る究極の対決となる恐れがある。同氏が2017年に大統領に就任して以降、この政策が企業や投資家を安心させてきた。与党連合が議会過半数と政府を失えば、財政赤字圧縮はいっそう難しくなる。
S&Pグローバル・レーティングは5月にフランスを格下げし、同国の財政赤字は2027年末まで国内総生産(GDP)比3%を上回り続けるだろうと予想した。
一方、欧州委員会の予測によればポルトガルは国内総生産(GDP)比の債務削減で前進しており、25年までに91.5%まで削減できる見込みだ。これとは対照的に、フランスの債務残高は対GDP比で24年の112.4%から来年には113.8%に上昇するとみられている。
仏10年債とスペイン10年債のスプレッドは11日、金融危機以降の最小となった。ポルトガル債に対しては一部の仏国債の利回りがすでに高くなっている。例えば、32年満期のポルトガル債の利回りは12日に3.04%だったのに対し、数カ月前に満期を迎える仏国債の利回りは3.09%だった。
メディオラヌム・インターナショナル・ファンズの債券責任者、ダニエル・ローニー氏は「政治環境という点で、これが新たな常識となるかどうか、根本的な不確実性がある」と述べた。
原題:French Bond Rout Upends Hierarchy in Europe’s Debt Markets(抜粋)
--取材協力:Sujata Rao.
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Greg Ritchie, Alice Gledhill