ニオイで思いを伝えていた!猫からの「好きです」サインと応え方
飼い猫は、嗅覚・聴覚・視覚・触覚を使う猫同士のコミュニケーション方法を応用することで、飼い主さんへ気持ちを伝えています。今回は、猫が飼い主さんに見せる「好きですサイン」と、その応え方について、動物看護師の小野寺温先生に伺いました。 【写真】飼い主さんの指をなめる猫
猫からの「好きです」のサイン(1)顔をこすりつける
仲よしの猫のコミュニケーションでよく見られる、お互いの顔や体をこすりつけ合う、通称“スリスリ”。猫は、臭腺の集まる部位を何かにこすりつけることでフェロモンを放出しており、相手にスリスリすることで、好きという気持ちを伝えています。 飼い主さんの体にすり寄るのも、愛情表現のひとつ。顔から出ているフェロモンをつけて、飼い主さんを「自分のモノ」と主張しているのです。 《応え方:顔まわりを指でカキカキしてあげて》 猫は臭腺の集まる部位を刺激するとよろこぶので、指でほほ・あご・耳のつけ根をカキカキしてあげましょう。また、猫同士のようにスリスリ・ゴッチンしたがる猫もいるので、飼い主さんの頭を差し出してあげるのもよいでしょう。
猫からの「好きです」のサイン(2)手をなめる
猫は好きな猫といるときに、相手の顔や体をなめて毛づくろいをします。これは、なめることで相手のフェロモンを感じ、さらに自分のフェロモンをつけることで安心しているのです。 猫が人をなめるのも、本当にその人が好きだから。飼い主さんが自分のほうを向いていないときに、気を引きたくてなめることもあるでしょう。 《応え方:顔を軽くなでてお返しを》 猫が人をなめるときは手をなめることが多いので、そのままなめられたところを使ってお返しを。これがニオイの交換にもなります。とくにあご下など、猫自身で毛づくろいできない部位をやさしくなでてあげましょう。
猫からの「好きです」のサイン(3)しっぽを体にくっつける
猫のしっぽはあいさつのほか、好きな気持ちを伝えたいときにも使います。しっぽのつけ根の背中側に臭腺があり、ここを絡ませてニオイを交換することが、親愛の印になるといわれています。 飼い主さんの体に、猫がわざとしっぽをくっつけてくることがありますが、これは自分のニオイをつけて安心するためと考えられます。 《応え方:指を輪っかにしてしっぽをスッとなでて》 猫がしっぽをくっつけてきたときは、しっぽのつけ根の背中側にある臭腺を触って刺激してあげましょう。つけ根をなでた延長で、親指と人差し指を輪っかにして、しっぽの先に向かってスッとスライドさせます。このとき、しっぽは握らないように注意してください。 猫は相手とニオイを交換したり、自分のニオイをすりつけたりすることで、「好き」や「もっと仲を深めたい」という気持ちを伝えているようです。今回ご紹介したコミュニケーション方法を参考に、ぜひ愛猫とよりより関係を築いてくださいね。 お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 動物看護師) 参考/「ねこのきもち」2021年4月号『猫同士のコミュニケーションがお手本! 愛猫と気持ちを通わす“ネコメソッド”』 文/宮下早希 ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。 ※記事と写真に関連性がない場合もあります。
ねこのきもちWeb編集室