Bチームから這い上がり異例の主将へ…大一番で味わった“地獄”「怖くてキツかった」
セカンドチームからトップへ、流通経済大柏CB佐藤夢真が歩んだ道程
鉄壁の守備を誇る流通経済大柏高校(千葉)の守備の2枚看板、佐藤夢真と奈須琉世。チームの先頭に立つ、いわば「ダブルキャプテン」だ。 【実際の映像】「これ入るの?」「さすがプロ内定」流経柏逸材ドリブラーが決めた圧巻ゴラッソの瞬間 ともに対人能力が高く、上背はないがヘディングも強い。さらにリーダーシップも抜群のコンビだが、背番号5を背負い、キャプテンマークを巻く佐藤は下から這い上がってきた苦労人でもある。 1年の時から学年のリーダーとして周りの選手やスタッフからの信頼も厚かった。だが、ピッチでは思うように結果が残せず、最高学年を迎えた今年もセカンドチームのリーダーとしてプリンスリーグ関東2部でのプレーが続いた。 プレミアリーグEASTで快進撃を見せるトップチームを尻目に、セカンドチームでは苦戦を強いられることが多かった。それでも彼は常に上を目指して、セカンドチームを牽引しながらも、トップとセカンドが一緒になって行う普段の練習では誰よりも声を張り上げ、球際の勝負に臆さずに臨み、自主練でもキックやボールの寄せなどを徹底的に磨き続けた。 「キャプテンとして自分が暗い顔をするわけにはいかなかったし、セカンドで勝てなくて悩んでもそれは周りに見せてはいけないと思った」 一切下を見ることなく、顔を上げて努力とチーム全体を考えての献身的な姿勢は、ついに大きなチャンスを引き寄せることになった。昨年5月のプレミアEAST第7節川崎フロンターレU-18戦で初のベンチ入りを果たすと、およそ1か月後の第10節昌平(埼玉)戦で不動のCBだった富樫龍暉が出場停止になったのを受けてスタメン出場。そこからベンチ外も経験したが、富樫が第13節の青森山田(青森)戦で負傷して離脱をしてからは、スタメン出場を勝ち取った。 セカンドチームでコツコツと磨き上げた守備強度と天性のリーダーシップを発揮。富樫が怪我から復帰をしても、「富樫は素晴らしい選手だけど、佐藤の成長が凄まじい」と榎本雅大監督がこぼしたように、奈須とのCBコンビはチームになくてはならない不動の存在となっていった。