真田広之「SHOGUN 将軍」がハリウッドに与えた変化。本作の日本人プロデューサーに話を聞いた
■完全オリジナルで続編も進める ――続編となるシーズン2の製作も発表されています。 シーズン1の配信が今年の2月に始まりました。配信当初から圧倒的に反響があって、数字もよかったと聞いています。5月くらいには続編の製作が決まっていたと思います。個人的にも、日本の歴史を知る者として、この先をやりたいと考えていたのでうれしかったです。 7月にはシーズン1の脚本家チームが全員集結しました。ただ、シーズン1で原作をすべて使い切っているので、いまは完全オリジナルの脚本開発を進めている最中です。脚本が仕上がった段階で一気に動き出すと思います。来年撮影できたとしても、配信は再来年以降。まだ2~3年はかかりますね。
――シーズン3の製作も同時に進めるのでしょうか。 脚本はシーズン3も視野に入れて開発していますから、シーズン2がある程度進んだところで動き出すと思います。ただ、厳密に言えば、いまはシーズン3まで視野に入れた脚本開発のOKが出た段階です。ハリウッドでは何が起こるかわかりません。企画がなくなることもふつうにありますので(笑)。 ――日本では、11月16日から23日までの期間限定で劇場上映(1話と2話)されます。
配信だけでなく劇場公開されることは、プロデューサーとしてとてもうれしいです。配信開始時には、ニューヨークやロサンゼルスの映画館で上映するイベントを実施しました。大画面で見ると映像や音響の圧倒的なクオリティーを存分に楽しんでいただけます。ハリウッドが製作した本格時代劇を、日本の時代劇ファンやドラマ好きの方々にぜひ体感していただきたいです。 すでに配信でご覧になっている方々も、映画館のスクリーンで見ることで、壮大なスペクタクルのなかの細かなニュアンスだったり、新たな発見があると思います。そういうところに気づいていただけるとうれしいですね。
■この先手がけたいテーマ ――宮川さんがこの先ハリウッドで撮りたいテーマを教えてください。 自分で立ち上げた、やりたい企画があります。日本人の女性の現代劇ですが、いまちょうどロサンゼルスで折衝しているところです。ほかにも、台湾、シンガポール、マレーシアのクリエイターと会う機会があって、いくつかの企画の提案を受けています。いまアジアでも日本と一緒にやりたいという意欲がすごくあって、そういう企画も実現していきたいと考えています。
武井 保之 :ライター