半導体のSTマイクロ、25年にかけ大幅減収見込む-受注減少が打撃に
(ブルームバーグ): 欧州の半導体メーカー、STマイクロエレクトロニクスは10月31日、受注減のため今年の売上高が予想レンジの下限にとどまり、2025年1-3月(第1四半期)までの減収は例年より厳しくなるとの見通しを示した。
24年の売上高は前年比23%減の約132億7000万ドル(約2兆円)と予想。これまでは132億-137億ドルと見込んでいた。
STマイクロは受注残高に基づき、来年1-3月までの売上高減少は「通常の季節変動を大きく上回る」可能性があると明らかにした。
米アップルやテスラ向けに半導体を製造するSTマイクロは、自動車や電子機器業界の顧客からの受注が減り、今年すでに業績予想の大幅な下方修正を2度余儀なくされていた。
7-9月(第3四半期)の純売上高は前年同期比27%減の32億5000万ドルと、ブルームバーグ調査でのアナリスト平均予測32億4000万ドルとほぼ一致。10-12月の売上高は約33億2000万ドルと見込んでいる。
ジャン・マーク・シェリー最高経営責任者(CEO)はアナリストやメディアとのオンライン会見で、マイコン部門では汎用(はんよう)向けが「大幅減少」したと説明。「中国市場で一定のシェアを失ったのは事実だ」と述べ、減少分の約1割が中国要因だと指摘した。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は今夏、中国政府が重要な産業分野で国産化を進めており、欧州の半導体メーカーが中国市場でかなりのシェアを失うリスクがあると警告。ブルームバーグ・ニュースは3月、中国政府が電気自動車(EV)メーカーに対し、車載半導体を製造する国内企業からの購入を大きく増やすよう水面下で要請していると伝えていた。
STマイクロはコスト削減と製造拠点を変更する計画を発表。シェリーCEOはプログラムのさらなる詳細を11月20日に示すと語った。
原題:STMicro Sees Significant Sales Declines Persisting Into 2025 (3) (抜粋)