<箱根駅伝>勝負の5区を制する“新山の神”は誰だ?
前回のヒーロー、青学大・神野大地は、今回苦しい戦いが予想される。今季は二度の疲労骨折で出遅れ、復帰戦となった11月1日の全日本大学駅伝は最終8区(19.7キロ)で59分45秒の区間8位。1年前(58分45秒/区間3位)と比べて、タイムは1分悪かった。しかも、全日本後に左スネを痛めて、11月は思うようなトレーニングができなかったという。12月19日の公開練習で、「12月になって、やっと状態が上がってきました。平地では自信はありませんが、山なら自信はある。今回は1時間20分が目標です」と話しており、連覇を目指すアオガクから「山の神」が誕生するとは考えにくい。 かつて「山の神」と呼ばれたのは順大・今井正人、東洋大・柏原竜二、青学大・神野大地の3人。彼らは1万28分台(今井28分57秒、柏原28分20秒、神野28分41秒)の走力があって、プラスして上りの適性が抜群だった。適性の部分を判断するのは難しいが、走力を考えると、「山の神」になれる可能性を秘めた選手がいる。 駒大の馬場翔大と大塚祥平、日大のダニエル・ムイバ・キトニー、神奈川大の西山凌平だ。駒大のふたりは今季1万mで28分30秒台をマークして、全日本大学駅伝でも大活躍。馬場は6区でダントツの区間賞、アンカーに起用された大塚は58分39秒(区間3位)で走り、神野より1分06秒もタイムが良かった。馬場は前々回の5区を1時間19分54秒で走破しているが、2年前よりも確実に力をつけている。その馬場を抑えて大塚が5区に入れば、さらなる快走が期待できる。大八木弘明監督の目標は「1時間19分切り」で、「山の神」に近づけるかもしれない。 キトニーは3年連続の5区となる。前々回は体温調整に苦労して区間10位に終わったものの、前回は1時間18分45秒の区間2位。武者由幸コーチは「うまくいけば1時間16 ~ 17分も可能」と話しており、最も「山の神」に近い位置にいる。