<箱根駅伝>勝負の5区を制する“新山の神”は誰だ?
西山は1年時から上り候補とされながらも、故障の影響もあり、過去3回の箱根はすべて平地区間だった。大後栄治監督は、「1時間20~21分」を想定しているようだが、5000m(13分57秒74)と1万m(28分44秒88)の自己ベストは神野と同程度。非常におもしろい存在だ。拓大・馬場祐輔は1万mで29分06秒71の記録を持つ。名将・岡田正裕監督が期待するスーパールーキーで、「山の神」への一歩を刻む可能性もある。 平地区間はトラックやロードでの練習状況から、本番でのタイムが予測できる。しかし、5区は様子が異なる。箱根駅伝は試走が禁止されており、上り坂での走りを確認できないため、本番でのタイムが非常に読みにくい。エース級の選手が予想より1~2分遅かったというのはよくあることで、その逆もある。前回の神野は、目標タイム(1時間17分30秒)を1分15秒も上回った。 今回の5区は本命不在の混戦区間。誰がヒーローになってもおかしくない。どんなドラマが待っているのか。優勝争いを占う意味でも、「山の神」が舞い降りた大学に強烈な追い風が吹くことになるだろう。 (文責・酒井政人/スポーツライター)