東大の研究機構と協定 三重・多気町 VISONでレベル4自動運転
最先端技術の実装や共同研究
三重県多気郡多気町は、同町ヴィソンの商業リゾート施設・VISONで今月末から、専用車両による自動運転のレベル4(限定された条件下での完全自動運転)を実施するのを前に、12日午後3時から同所で、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構(UTmobl)と最先端技術の実装や共同研究を行う協定書の調印式を実施した。レベル4の運行は1月末までの予定。 UTmoblは、自動運転を中心としたモビリティー研究を目的に、東大の生産技術研究所などの各部局が連携して2018(平成30)年に発足。千葉県柏市をフィールドに、自動運転レベル2(部分運転自動化)を19(令和元)年から実施するなど、自動運転実証実験などに取り組んでいる。 一方、町では、自動運転車両「MiCa」を運行するソフトバンクの子会社・BOLDLYが、10月末に国土交通省中部運輸局からレベル4の車両認可を東海3県で初めて受けた。これに先駆けて、同省の自動運転社会実装推進事業の地域公共交通確保維持改善事業費補助金の採択も受け、1億円規模の補助金が付いている。 この日は、久保行央町長の他、UTmoblの須田義大機構長、BOLDLYの佐治友基代表取締役社長兼CEOなどが出席。 協定を交わした久保町長は「ドライバー不足で公共サービスの低下が心配される中、地域の課題解決に一歩前進すると思っている」とあいさつした。 須田機構長は「自動運転の根底には、(高齢者の買い物支援など)地域の課題解決がある。VISONはよく整備されていて、安全性と信頼性を検証するのに適している」と話した。