50代の会社員、定年後は「ポルシェ タイカン」を自分へのご褒美に購入したいです。退職金と貯金で「2000万円」になる予定ですが、老後のためにはやめるべきでしょうか…?
定年退職で手に入る自由な時間。「現役時代にはできなかった夢を叶えよう」と考えている人も多いでしょう。例えば「憧れだった高級外車を購入して好きなだけドライブしてみたい」という夢を持っている人もいるかもしれません。 しかし、高級外車は高額のため、購入したら老後の生活に影響が出ることも考えられます。 本記事では、退職金と貯金で2000万円と、夫婦2人の平均的な年金受給額である「月23万円」(2024年度)を得る人が、ポルシェ「タイカン」を購入して老後に影響が出ないのかを解説します。 ▼トヨタ「アル・ヴェル」は月々でいくらの支払いが必要? 返済額を試算してみた!
ポルシェ「タイカン」の新車購入価格はいくら?
ポルシェは車好きでなくともその名が広く知られている高級外車メーカーです。そんなポルシェが販売している「タイカン」はポルシェ初のフル電気自動車でありながら、ポルシェの伝統的なスタイルと走行性能を受け継いでいます。 タイカンの値段はモデルによって異なりますが、基本モデルである「Taycan」の車両本体価格は「1370万円(税込)」です(2024年8月31日時点)。ホイールやインテリアのレザーの品質などにこだわると、1500万円を超えることもじゅうぶんに考えられます。
ポルシェ「タイカン」を購入しても老後資金は不足しない?
退職金と貯金で2000万円があれば、オプション込みでもタイカンを購入することは可能です。ただ、問題になるのは「2000万円を使っても老後生活に問題がないのか?」ということでしょう。 総務省統計局の令和5年の家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出と非消費支出の合計額は28万2497円です。なお、家計調査の住居費は持ち家を含むため約2万円と安く、賃貸の場合は高額になるケースもありますが、今回はデータ通りの数値でシミュレーションしていきます。 今回のケースでは夫婦の年金受給額が月23万円と想定しているため、仮にタイカンの購入で2000万円を全て使ってしまうと、月約5万円の赤字になってしまいます。 タイカンの購入費用が1500万円で500万円が余ったとしても、「500万円÷月の赤字額5万円=約100ヶ月」となり、約8年で貯金が底を突く計算です。65歳から老後生活を始めたとしても73歳で貯金がなくなる計算であり、人生100年時代といわれる現代では老後を安心して過ごせない可能性が高いといえるでしょう。 また、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、ゆとりのある生活をするために必要な費用は月37万9000円です。受給できる年金額が月23万円だとすると約15万円が不足することになります。 老後に好きな車に乗ることは素晴らしいことですが、今回のシミュレーションでは貯金を使って新車のタイカンを購入することは難しいかもしれません。