EURO 2024開幕目前…逆境の“タータン・アーミー”が下馬評を覆すか
前線は負傷者続出も、中盤の陣容は充実
ドタバタ続きのスコットランドは、6月3日に行われたジブラルタルとの親善試合に2-0で勝ったとはいえ、格下を相手に低調な内容だった。クラーク監督も精彩を欠いたことを認めつつ、その理由について「最大の大会が目の前に迫っており、既に気持ちがドイツに行っていたのだろう」と説明した。そしてFWダイクスの離脱が及ぼした影響についても明かした。「練習中のリンドン(ダイクス)のケガで選手たちは少し動揺していたのだと思う。選手たちも人間だからね」 立て続けに2名のアタッカーを失ったスコットランドは、代表経験のない21歳のFWトミー・コンウェイを追加招集。イングランド2部のブリストル・シティに所属するストライカーは、ダイクスの代わりではなくバックアップメンバーになる。本大会で攻撃を牽引するのは、スコティッシュ・プレミアシップでセルティックの日本代表FW古橋亨梧を抑えて得点王に輝いたハーツのFWローレンス・シャンクランド(28歳)と、サウサンプトンのFWシェイ・アダムズ(27歳)だ。 アダムズは今季イングランド2部で15ゴールを叩き出してサウサンプトンのプレミア昇格に貢献したCF。「このメンバーならグループ突破は可能だ。国民の誇りになりたい」と意気込むアダムズは前回のEUROも経験しており、彼が1トップとして起用されるだろう。 確かに前線はケガ人が出てしまった。しかし中盤は、予選でチーム最多の7ゴールを叩き出したマンチェスター・ユナイテッドのMFスコット・マクトミネイ(27歳)のほか、アストンビラの主将MFジョン・マッギン(29歳)やセルティックの主将MFカラム・マグレガー(30歳)など粒ぞろい。4度目の出場で初のグループステージ突破を目指す “手負いのタータン・アーミー”が、今大会の台風目になるかもしれない。