「結核」は昔の病気ではない 入院3カ月・完治まで10カ月闘病したJOYさん 発見の難しさやつらさ語る
■結核患者数 大阪府が20年連続ワースト
ここで、全国の結核患者数のデータがあります。人口10万人中の患者数1位は大阪府です。5位までに近畿の4府県が入っていて、全国平均からかなり高い数字となっています。特に大阪府は20年連続でワーストになっています。 結核に地域性は関係しているのでしょうか? 【関西医科大学附属病院 宮下修行先生】「これは労働環境、労働環境の中でも栄養状態です。免疫が下がるというのは、栄養状態が下がる人たちに発症しやすい。もうひとつは大きな工場があって外国人労働者の方、特に東南アジアの方には栄養が悪い方が多く、そういった方が持ち込んでくる。この2つのパターンがやはり多いですね」
■長くツライ「結核」 3カ月入院・退院後も微熱続き完治まで10カ月かかったJOYさん
JOYさんは、3カ月入院し、退院後も微熱が続き完治まで10カ月ほど薬を飲み続けたということです。入院するとすぐ楽になるかと思ったら、薬を飲むようになって40度ぐらいの熱が続き、医師の目の前で服用しなければならない強い薬などもあり、「けっこうしんどかった」といいます。 結核の治療は投薬が中心になるのでしょうか? 【関西医科大学附属病院 宮下修行先生】「昔は薬がなく、『不治の病』とされていました。現在は大体3剤か4剤を一気に飲む。これを6~9カ月続ける。このようなコースで大体治癒するパターンが多いです」 結核には予防接種がありますよね? 【関西医科大学附属病院 宮下修行医師】「乳児の頃にBCGワクチンを打ちます。ただBCGワクチンは残念ながら十数年しか持ちませんので、成人になると免疫が切れてしまっています」 大人になってからBCGを打てばいいのですか? 【関西医科大学附属病院 宮下修行医師】「一番重要なのは、結核というのはあまり焦ってはいけない。感染しても90パーセントぐらいの人は発症しないんです。すなわち免疫が落ちた時に発症してしまう。例えば糖尿病がある方ですとか、HIVの方ですとか、それから高齢者になればということですから、あまり意味がないことになる」 「結核」は決して昔の病気ではないということで、せきなどの症状が長く続くような場合、病気の可能性を疑ってみることも大切なのではないでしょうか。 (関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!2024年10月16日放送)
関西テレビ