開幕2試合不発の16歳Jリーガー久保建英が感じている「もどかしさ」の正体
ボランチの米本拓司に代わって、後半25分からピッチへ投入された。浦和レッズとの開幕戦より2分早く訪れた出番だったが、チームが負けていて、なおかつ最初の交代選手として指名された点で状況は違っていた。 レッズ戦は1‐1の状況で、2人目の交代だった。見せ場は後半アディショナルタイム。右サイドからパスを受けて、そのまま中央へドリブルで突破。左サイドに開いていた東へパスを預けて、ペナルティーエリア内へ侵入したところでリターンを受ける。 「最初は(シュートを)打とうと思ったんですけど、ちょっとパスに切り替えて。(ボールを)戻してくれたらいいな、と思っていて、そこまではイメージ通りだったというか」 DF槙野智章のスライディングタックルをかいくぐり、左足を振り抜くも残念ながらミートし切れなかった。真正面に飛んだ威力のないシュートをGK西川周作に難なくキャッチされた瞬間、久保は天を仰いで悔しさを表現している。 迎えたベガルタ戦では、一転して「もどかしさ」に近い思いを募らせたはずだ。 ピッチの上で幾度となくフリーとなり、両手を広げるゼスチャーを見せたものの、なかなかパスが回ってこなかった。 「正直、ボールが入ってこないと攻撃ができないので、そこはちょっと厳しい部分がありました。自分はボールを一生懸命もらおうと思ったんですけど、ここ2試合、あまりボールをもらえていないので。どうにかして、もっとボールをもらおうと思っています」 昨年11月1日にFC東京U-18からトップチームへ昇格し、途中出場ながらJ1の舞台に2度立った。ガンバ大阪で一時代を築いた長谷川健太新監督が就任した新シーズン。自主トレから全体練習にフル参加してきた久保に、プロとしての武器を聞いたことがある。 「別に今年だけではなく、ずっと変わらないと思っているんですけど」 こんな断りを入れたうえで、スペインの名門FCバルセロナの下部組織に所属した約3年半の間に、徹底して磨き上げた個人技をあげている。 「自分がボールを受けてからのドリブルとか、そこからのシュートというのはいろいろな人に見てほしいというか、やっていて楽しいと思っているので」