『海に眠るダイヤモンド』新井順子P、主演・神木隆之介の印象は「切り替わりが早い」
1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京が舞台
俳優の神木隆之介が1人2役で主演を務めるTBS系日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(日曜午後9時)。数々のヒット作を生み出し続ける新井順子プロデューサーが取材会に応じ、キャストの起用理由、撮影現場での工夫を明かした。 【写真】『海に眠るダイヤモンド』の場面カット 本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。同時に、現代の“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代”を描き、過去から現代に通じる希望を見つけだす、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメント。 脚本を担当するのは、TBSでは『アンナチュラル』(2018年)、『MIU404』(2020年)ほか、現在公開中の大ヒット映画『ラストマイル』を手掛ける野木亜紀子氏。独自の視点で生む緻密なストーリーとコミカルな会話劇で描く社会派エンターテインメントが多くのファンの心を掴む野木氏だが、これまでの日曜劇場と一線を画す、野木氏ならではの完全オリジナルストーリーで日曜劇場を手掛ける。 そして、『アンナチュラル』『MIU404』をはじめ、『最愛』(2021年)、『下剋上球児』(2023年)や『グランメゾン東京』シリーズなどTBSの話題作を数多く担当し、繊細な演出で俳優陣の最高な芝居を引き出す塚原あゆ子氏が監督を務める。 取材会での質問と答えは以下の通り。 ──キャストの起用理由を教えてください。 「メインキャストに関しては神木(隆之介)さんでいこうとすぐ決まりました。リナ役(池田エライザ)は歌えなきゃいけなかったので、お芝居ができる人で歌える人。断られるかなと思いながらオファーしたら、お父さまが端島のとなりの高島(たかしま)の出身ということですぐOKをいただきました。杉咲さんは中学生、土屋さんは高校生の頃にご一緒したのですが、また一緒にやりたいなという思いがありお願いしました。宮本信子さんはお手紙を書かせていただいて、一緒に仕事したいという思いを込めてお願いしました」 ──端島に目をつけた理由は。 「長崎のいろんな名所に巡る旅行の際に、船に乗って元島民のガイドさんが案内してくれる軍艦島ツアーにも行きました。その島民の方のお話がめちゃくちゃ面白かった。上陸したときの圧巻さがすごく印象的に残っていました」 ──今後のストーリー展開を言える範囲で教えてください。 「野木さんが端島の元島民のみなさんからお聞きしたお話もいれつつ、でも基本はフィクションの人間ドラマを全面に出していこうと思っています。今後も日曜劇場らしい作品にしていきます」 ──ホスト役を演じた神木さんの印象は。 「神木さんが、実際にロケでご協力してくださったホストの方に『(女性に)声をかける時、どうやってやるんですか?』などお話を聞いたりしていました。なので、“あ、うまいな”って思いました。本人も言ってましたが、『よ~い、はい』でスイッチが入って、カットがかかったら本人に戻るんです。切り替わりが早くて、一瞬で没入できるタイプだと思います」 ──端島がリアルに再現されています。撮影で大変だったところはありますか。 「端島銀座はセットなのですが、あれを建てる場所を探すのにかなり時間はかかりました。長期に渡り立てないといけない、倒れないようにしないといけないので、しっかりとした躯体があるところを利用して作っているんですが、それを作るのが大変でした。完成してみたら本当にリアルで圧巻。リナが歌っているシーンはエキストラさんが300人ぐらい集まってくれて、その方々が着替えるだけでも2時間かかります。それが毎日のように行われているので、大規模だなと感じています。この間も移動に5時間半かかって、3連休に静岡に行って大渋滞にはまるみたいなことはあるんですけど、到着するとここでしか撮れなかったっていう土地なので、スタッフ、キャスト含め、やるしかないというスイッチで、良い画が撮れているなと思います。『映画並みですね』ってみんなに言われます」 ──第2話では、台風が到来するストーリーが描かれます。 「台風は超絶大変でした。何トン、水使ったんだろ。現場にプールを設置して水を溜めてそこからシャーって。上にシャワーみたいな機材が吊られていて『はい、雨出してください』って言うと、端島銀座に降るっていう装置を丸1日かけて設置してもらいました」 ──視聴者の反応で楽しみにしていることは。 「神木さんも言っていますが、ちゃんぽんドラマなんです。本当にいろんな要素が入っていて、本当に誰が主役になってもいいストーリーになっています。誰かに共感してほしいなとは思っています。家族と見てもいいし、考察しながら見てもいいし、父と息子の関係どうなるのかなって興味がある人もいれば、ラブストーリーに興味がある人もいるのかなと思います。ご自身が好きなパートを追ってほしいですね」
ENCOUNT編集部