南海トラフ臨時情報に便乗、Xに広告報酬狙いの大量スパム…「まともな情報得られず」「大事な情報の邪魔」
アフィリエイト広告は、仲介業者を介して広告主と提携した「アフィリエイター」(主に個人)が自身のブログやSNSに広告を掲載し、商品やサービスを紹介する仕組みだ。広告を見た消費者が一定期間内に購入・利用すると、広告主からアフィリエイターに成功報酬が支払われる。
今回のスパム投稿のように、利用者の意図しない形で広告に誘導する行為は、多くの仲介業者がアフィリエイターに対し、利用規約で禁じている。X側も利用者の誤解を招くスパム投稿を禁止している。
スパイダーラボズの宮本雄大氏は「海外のアフィリエイターがバイトなどを雇って組織的に発信した可能性がある。あまりに大量の投稿だったため、広告主側もX側も対処しきれなかったのだろう」とみる。
広告主の責任
今回の事態を受け、一部の広告主も対応に乗り出している。楽天グループは読売新聞の取材に、スパム投稿を行っていたアフィリエイターとの契約を解除したことを明らかにした。「災害に乗じた不適切な投稿による誘導はユーザーに混乱をきたすだけでなく、当社のブランドイメージを毀損(きそん)するもので、重大な問題だ。引き続き、対策の強化を行う」としている。
今回のスパム投稿はすでに削除され、9月以降は投稿も少なくなっているが、アフィリエイト広告に詳しい広告会社「クロスワーク」(神奈川県)の笠井北斗代表は「X側や、広告主、仲介業者がパトロールを徹底していれば未然に防げたはず。ネット広告を出す事業者は、自社が悪質業者の資金源にならないよう、責任感と倫理観をもって対策を講じる必要がある」と指摘する。