数えで7年に一度「御柱祭」始まる 見せ場の「木落し」「川越し」に歓声
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4月2日から長野県諏訪地方で始まった「諏訪大社御柱(おんばしら)祭」は3日、巨木が急坂を滑り下りる「木落とし」や川を渡る「川越し」などの見せ場を繰り広げました。山から切り出した巨木の曳行などで日本の奇祭の一つとされる御柱祭。その起源については長い間論議されてきましたが諸説あり、謎を秘めた大掛かりな歴史的イベントとしていっそう関心を集めています。 【動画】社殿に火をかける攻防 春を待つ野沢の道祖神祭りにぎわう
長野・諏訪大社で1200年以上続く
諏訪大社は全国の諏訪神社の総本社で、数えで7年に一度行われる御柱祭は1200年以上続くとされます。氏子たちによって上社本宮・前宮と下社春宮・秋宮の4つのお宮にそれぞれ4本、合計16本の巨木を曳行(えいこう)し、境内に御柱を建てます。起源は縄文時代からの信仰との関わりや仏教との関係などが考えられていますが、明らかではありません。 上社は4月2日から4日まで、下社は4月8日から10日までの間、御柱となる巨木を山から下ろす「山出し」を行います。「木落とし」「川越し」といった見せ場があります。
5月には「里曳き」「建御柱」
里に下りた御柱をそれぞれのお宮に運ぶ「里曳き(さとびき)」は上社が5月3日から5日まで、下社は5月14日から16日の間に行われます。華やかな騎馬行列や花笠踊りの中、御柱屋敷を出た御柱がお宮まで曳かれ、境内に建てられる「建御柱(たておんばしら)」が行われます。 御柱は樹齢100数十年のモミの木で直径1メートル以上、長さ20メートル近く、重さは数トンから10トン近くなります。 上社の御柱には角のような「メドデコ」があり、氏子が取り付いて揺れ動きながら進むのが特徴です。途中、急な坂を一気に下っていく「木落とし」がハイライトの一つ。御柱に乗った大勢の氏子たちがオンベと呼ばれる房が付いた棒状の飾りを振りながら気勢を上げ、観客の歓声に包まれながら御柱と一緒に滑り落ちていきます。時にはけが人も出る息をのむ場面です。
「木落し」「川越し」緊張の場面
3日は御柱が通る茅野市などの道筋が氏子や観客であふれ、地域挙げての祭事を印象付けました。茅野市宮川にある「木落とし公園」では午前中から木落としが始まり、大きな歓声が。順番待ちで見物する観客の長い列もできました。 地元の人たちは法被を着て沿道に立ち、御柱を曳く氏子たちの長い行列に声を掛けていました。木遣り(きやり)の声に応えて少しずつ御柱が動くと歓声が上がり、子どもたちからお年寄りまで緊張の中にも笑顔を見せていました。