ランクル、プリウス…廃車寸前の中古車を修理して海外へ輸出!在日パキスタン界の「アニキ」がはじめて明かす、日本人が知らない「日本製品の魅力」
横浜からカラチへ
日本の中古車が世界で人気、と聞いても驚かないだろうが、その輸出を担う業者の大半がパキスタン人であることを知る人は少ないだろう。いつから? なぜ? キーマンが語る「日本の裏面史」――。 【マンガ】外国人ドライバーが岡山県の道路で「日本やばい」と驚愕したワケ 前編記事『トヨタカローラに日産サニー…「中古車輸出ビジネス」のキーマンが埼玉にいた! 在日パキスタン人2万人を束ねる「アニキ」の意外な素顔』に引き続き、在日パキスタン人が中古車市場を牛耳るまでの歴史に迫る。 73歳のライース・スィディキさん。来日50年を迎え、在日パキスタン協会の会長を務めるこの人物こそ、「日本の中古車輸出業のビッグボス」だ。 核開発で話題になったカーン博士の弟子だったライースさんは、研修生として学んだあと、新車のトヨタカローラを3台持って帰国。すると、一台につき1700ドル儲かった。 ちょうど安くて性能の良い日本車が評判になり始めた頃。新車よりも中古車の方が安くて需要があるとわかり、本腰を入れて中古車ビジネスをやろうと、再来日して東京の江東区で会社を設立した。 「各地の展示場(中古車販売店)などに出向き、パキスタンで求められている車を購入して横浜の港からカラチへ送りました。現地のディーラーから『〇〇という車種が欲しい』というリクエストがあれば、すぐ用意しました」 たとえばトヨタのカローラを30万円で仕入れたとする。これを船でパキスタンまで運ぶと約10万円のコストがかかる。それでもパキスタンでは45万~50万円で売れるので、その差額が利益になる。トヨタランドクルーザーなど人気の車種だともっと高く売れ、利幅も大きくなるという。
江戸川区の工場で新車同然に
日本では10万キロ以上走った車は敬遠されて商品にならないが、海外では重宝された。ライースさんはそこに目をつけた。 「修理工場などを回って廃車寸前の車を安く買い付け、江戸川区篠崎の工場でリコンディショニングしました。エンジン回りを修理し、板金塗装して、可能な限り新車に近いような形にしました。 商売が大きくなると、横浜、名古屋、神戸、広島に拠点を作り、各地で中古車を購入し、それぞれの港から送りました。というのも、船は横浜から名古屋、神戸、広島に寄り、カラチへ行くルートになっていたためです」 ライースさんは当時まだ20代。日本の修理業者などは力になってくれたという。 「私がまだ若いでしょう。すごく褒めてくれましたし、いろいろ教えてくれました。バックアップしていただきました。感謝しています」
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