特定外来生物のオオキンケイギク大繁殖 梓川の堤防や中州が黄色く染まる
長野県松本市と安曇野市の境付近を流れる梓川の河川敷で、特定外来生物に指定されているオオキンケイギクが大繁殖し、堤防や中州が黄色い花に染まっている。オオキンケイギクの繁殖は、河川敷の希少な在来植物の危機を意味し、堤防から周囲にも広がりを見せていて、早急な対策が必要だ。 アルプス大橋から上流の梓橋、中央橋にかけての約5キロの範囲で繁殖が広がっている。場所によっては堤防道路を越えて田畑のある側にも進出している。梓橋下流の左岸は堤防が見渡す限りオオキンケイギクの花で埋め尽くされているような状態だ。 オオキンケイギクは北米原産の多年草で、5~7月にコスモスに似た黄色い花を咲かせる。繁殖力が極めて強く、根からホルモンを分泌して周囲の植物の成長を妨げるため、これが繁殖すると在来植物が駆逐される。 このため松本市は本年度初めて、業者に委託してオオキンケイギクの駆除に乗り出し、現在、梓川右岸で作業が行われている。環境・地域エネルギー課は「作業が市民の目に付くことで、駆除が必要な植物という理解を広めたい」と話す。 国交省千曲川河川事務所は堤防管理のために毎年6月中旬から除草を行っているが、オオキンケイギクの駆除を目的としたものではない。高瀬川で在来植物の保護活動を行う団体の代表を務める吉富政宣さん(55)=松川村=は「その時期のオオキンケイギクに触れると種がまき散らされて増えてしまう」と指摘し、「正しい知識を周知して、地域ぐるみで駆除に取り組む必要がある」と話している。
市民タイムス