“オスとメスが混ざった美しい緑と青の小鳥”が見つかる…アマチュア鳥類学者が100年ぶりの大発見
コロンビアの農場で、ズグロミツドリ(頭黒蜜鳥)と呼ばれる小鳥の珍しい個体が写真に収められた。身体の片側が緑系のビリジアン、もう一方が青系のアクアブルーという、鮮やかな配色になっている。 【写真】オスとメスが混ざっていた美しい緑と青の小鳥。 休暇でコロンビアの農場を訪れていたアマチュア鳥類学者のジョン・ムリーリョ氏が、偶然に撮影したという。変わった配色に興味を惹かれてシャッターを切ったが、実はズグロミツドリは性別によって羽毛の色が変わる。このことから後に、右と左で異なる2つの性別を併せ持っていたことが判明した。 同じく休暇で訪れていたニュージーランド・オタゴ大学のハミッシュ・スペンサー特別教授らとの共著論文にまとめられ、鳥類学誌『ジャーナル・オブ・フィールド・オーニソロジー』12月号に掲載されている。
くっきり分かれた2つのカラー、性別の境界はあいまいに
ズグロミツドリで雌雄同体が目撃されたのは1世紀以上ぶりであるため、重要な発見だと受け止められている。カナダのCTVニュースによると、オスとメスの羽毛を持つズグロミツドリが最後に記録されたのは、1914年のことだという。 スズメ目フウキンチョウ科のズグロミツドリは、体長約14cm。メキシコ南部からブラジル、コロンビア、トリニダードなどに生息する。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅の懸念が少ない「軽度懸念(Least Concern)」に分類されている。 通常のズグロミツドリでは、オスならばアクアブルー、メスならばビリジアンの色となる。今回の個体は、右半分がオスのカラー、左半分がメスのカラーとなり、体の中央でくっきりと色が分かれている。米科学ニュースサイトのエウレカ・アラートによると、今回の個体は写真に加えてビデオでも記録された。 論文を共著したスペンサー教授は、オタゴ大学によるプレスリリースで、「多くのバードウォッチャーは一生のうち、鳥の種類を問わず、両性具有の個体を見ることはないことでしょう」と述べ、幸運な発見だったと振り返る。