「希少疾患」と向き合う患者たちの声…“病気も全部含めて個性” “育児も出産も諦めない” 願いは…『every.特集』
■娘にも遺伝…予防薬で発作を抑える生活
HAEは、娘のみさきさんにも遺伝しており、成長するにつれ、顔やおなかが腫れる発作が起きるようになったと言います。 娘 みさきさん(中3) 「小さい頃はまだ発作が少なかった。中学校になると頻繁に、週5くらいで(おなかに)細かな刺激をされているような痛みが長時間続く」 いつ発作が起きるかわからず、学校生活にも支障が出てきたみさきさんでしたが、2023年から使い始めた予防薬が効き、発作は抑えられるようになりました。 しかしこの注射、自分で打つのはすごく痛いと言います。 みさきさん 「このタイミングで打つ、そしていま呼吸をする」 真樹子さん 「ママちょっと動かないで、と言って」 みさきさん 「少しの衝撃でも響く。注射を持っている手が動いて痛い」
■HAE患者同士で近況を語り合う
患者数が少ないため、予防薬や治療法などがわかりづらく、患者同士で近況を語り合うことが心の支えになるといいます。 HAE患者 「予防投与していたんですけど効果がなくて。いま自己注射している」 HAE患者 「月に1回は(注射を)打っている。なんとか仕事を続けている」 みさきさん 「2週間に1回打ってすごく効いていて。打つ前は保健室に駆け込むことが多かったけど、そんな事もなくなってハッピーライフです」 まもなく高校受験が控えているみさきさん。患者会の合間にも勉強です。 「とりあえずここ覚えないと、陽イオン陰イオン」 ――今、自分の病気をどう受け止めているのでしょうか? 「嫌なのはそうですけど、治療すれば何とかなる。ひとつ自分の個性として、全部含めて自分です」
■国内外のHAE患者会で情報交換
母の真樹子さんは、海外の患者会で情報交換をしたり、日本の医師の学会に患者の声を届けたりしています。願いは、HAE患者を取り巻く環境がよくなること。 真樹子さん 「より多くの医師の先生、学校の先生とか保健の先生に、この病気をもっと知ってもらって、きちんと治療・対応をする事ができるようになるといいなと思います」