中国が影響力強めるカリブと関係強化へ 日カリコム外相会合、14日に都内で開催
日本とカリブ共同体(カリコム)を構成する14カ国は14日、東京都内で外相会合を開く。カリブ海地域でも中国が影響力を増しており、日本は、自由や民主主義といった価値観を共有し、台湾承認国も多いカリコム諸国との連携を重視している。会合後、岩屋毅外相が、産業多様化や災害対策の分野で新たな協力・支援策を発表する予定だ。 日カリコム外相会合は8回目で、日本での開催は10年ぶり。 日本は安倍晋三政権下の2014年に、島国特有の脆弱性克服と交流の拡大、国際会議などにおける協力を内容とする対カリコム政策3本柱を策定。今回の会合でもこの方針に沿って支援・協力を深化させ、国連安全保障理事会改革などで連携を強化したい考えだ。 会合では岩屋氏とドミニカのヘンダーソン外相が共同で議長を務め、治安が悪化しているカリブ海の島国ハイチの情勢や、気候変動や自然災害といった島国中心のカリコム諸国と日本の共通課題を議論する。 カリコム諸国に対しては、中国がインフラ整備支援などを通じて影響力を拡大している。外務省によると中国とカリコム諸国の貿易額は00年からの20年間で約15倍に増大、日本の約2・7倍(20年)に達した。岩屋氏は力による一方的な現状変更に反対する考えの共有も図り、中国の強圧的な行動に注意を喚起する。 世界の台湾承認国12カ国のうちベリーズやセントビンセントなど5カ国がカリコムに参加しており、台湾が国際社会で存在感を維持する上でカリブ海地域は死活的に重要な地域となっている。台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境にも影響する可能性があり、日本としてはこうした点も意識しつつ、カリコム諸国との連携の維持、強化を進める方針だ。(原川貴郎)