米国メジャーリーグサッカーで日本人所属チームが対決!
太平洋の向こう側、米国で29日(日本時間30日)、MLS(メジャーリーグサッカー)のプレーオフのイースタンカンファレンス決勝戦のセカンドレッグが行われ、日本人選手を擁する2チームが激突した。ファーストレッグを2-1でリードしたニューイングランド・レボリューションには、元日本代表の小林大悟MF(31)が在籍、対するニューヨークレッドブルズには、07年のドラフト指名により日本人初のMLSプレーヤーとなって以来、同リーグ在籍7年目となった木村光佑DF(30)がいる。残念ながら、この日両選手の出場機会はなく、MLSプレーオフ史上初の日本人対決は実現しなかったが、レボリューションの本拠地ジレットスタジアムは球団の本拠地最高記録となる32,698人の観衆を集め、強い関心を印象付けた。 セカンドレッグを2-2の同点とし、MLS杯進出を決めたレボリューションの小林は試合後、シャンパンファイトに参加し「いいクラブに来たと思う。開幕戦0-4でスタートして、夏場に9連敗しても、持ち直すことができた」と、2月の移籍以降の激動のシーズンを振り返った。一方で木村は「シーズン後半、腰と左太ももの肉離れが重なり、選手層の厚いチームの中でレギュラーを奪回することが非常に難しくなった。でも、このチームで戦って、まだまだ自分が強くなれる実感が得られたし、収穫の多いシーズンだった」と笑顔をみせた。 盛り上がるスタジアムで2人の日本人が感じていた共通の思いは、大きなポテンシャルを持つMLSが、サッカー主流リーグの仲間入りをする時期が目前に近づいているという実感だ。 ウエスタンイリノイ大学を卒業後、ドラフト指名によってMLS初の日本人選手となった木村は、8年間のMLS在籍でリーグの成長を肌で感じてきた。「過去8年の比較は言うまでもなく、ここ最近はシーズン中でも、ぐんぐんリーグのレベルが上がっている。今後、日本人選手にもっとMLSに来て欲しいけれど、そのレベルはどんどん高くなってきて、将来はピークを過ぎたベテランではなく、若い選手が挑戦する場所になるのではないか」という。小林も「正直、僕も最初はMLSを舐めていた。でも、実際こっちに来て、スピードや技術、厳しい当たりなどレベルの高さを実感した」。ノルウェーやギリシャでもプレーした小林は、「MLSの方がリーグの経営基盤はしっかりしている」と実感している。欧州のリーグには経営破綻に追い込まれて選手に給料が支払われなかったり、内戦が起きて治安が危ぶまれたりする地域もある中、MLSは選手側にも魅力的なリーグにいる。米国がサッカー不毛地帯と呼ばれたのは昔話。Jリーグがダメだから米国に行こうという甘い考えは、もはや通用しないのではないか、という2人の認識は一致していた。