欧州サッカーでハーランドを筆頭に長身CFが活躍 得点力だけでない重要な役割とは?
【得点力と大きさの関係】 2023-24シーズンは、ハーランドを筆頭に長身CFが活躍していた。 ラ・リーガの得点王アルテム・ドフビク(ジローナ)は184㎝。ハーランドほど大きくはないが、頑健で機動力もある。このウクライナ代表選手に1点差で2位だったのが、アレクサンダー・セルロート(ビジャレアル)。ハーランドと同じノルウェー人で身長も同じ195㎝。 ブンデスリーガはハリー・ケイン(バイエルン)が欧州5大リーグでもダントツの36得点。バイエルンはリーグ優勝を逃し、ユーロ2024でもイングランド代表は決勝で敗れていて、なぜかタイトルとは無縁の名手も188㎝と大柄である。 セリエAの得点王、ラウタロ・マルティネスは174㎝、リーグアンはキリアン・エムンバペ(178㎝)が得点王で、このふたりはとくに長身というわけではないが、総じて長身頑健なCFが増えている印象はあった。 ところが、世界的にその時代を象徴するようなCFとなると必ずしも長身頑健というタイプではない。生涯1000得点超えのアルトゥール・フリーデンライヒ(178cm/ブラジル)ら南米のCFは、テクニックとスピードで勝負するタイプが多かった。オーストリアの黄金時代を牽引したマティアス・シンデラー(175cm)は「紙男」と呼ばれた痩身の技巧派だった。 1950年代のアルフレッド・ディ・ステファノ(178cm/アルゼンチン/スペイン)や1960年代のペレ(173cm/ブラジル)もとくに長身ではない。ディ・ステファノは「偽9番」、ペレはセカンドトップの「10番」なのでCFではないが、ゴール量産のスーパースターはむしろ大柄ではないのだ。 得点能力において史上でも双璧と思われるゲルト・ミュラー(176cm/ドイツ)とロマーリオ(167cm/ブラジル)はどちらも小柄で、ボックス内での俊敏性が図抜けている点取り屋だった。