夜中トイレやいびきで何度も起きる人に“5時出発”は早すぎる! 遅いティーオフが命を守る!?
40歳男性の40%、60歳男性の60%が健康を害するレベルのいびき
「ゴルフの前夜は何度も目が覚めてしまう。ぐっすり寝た気がしない」「睡眠不足でいいパフォーマンスができない」など、睡眠にまつわる悩みを訴えるゴルファーは少なくありません。 【動画】これが原英莉花が教える「朝イチティーショット」成功の秘訣です
睡眠不足によるパフォーマンスの低下を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか。多くのゴルファーの疑問や不安に回答を寄せてくださったのは、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生です。 まず、夜中にトイレ等で目が覚めてしまうのは、なぜなのでしょうか。 「小学生のころ、遠足の前日よく眠れなかった経験はありませんか。大人のゴルフもそれと同じようなものです。非日常のイベントに気持ちが昂ぶり、緊張もします。なかなか寝られなかったり、せっかく寝てもすぐ目が覚めてしまったりするのも仕方がありません」 「その典型例が1度ならず2度、3度とトイレに起きる現象です。本当にトイレに行きたくて起きるのなら寝る前の水分摂取をコントロールすればある程度改善できるはずですが、大抵の場合はトイレに行きたくて目が覚めるというより、“眠りが浅い”ことが起きてしまう原因です。眠りが浅いからすぐ目が覚めてしまい、目が覚めたときトイレに行くという習慣が(ある場合は)、尿が溜まっていないのについトイレに行ってしまう人も少なくありません」 夜中にトイレに起きてしまうのは、気持ちが高揚したり緊張したりして、そもそも眠りが浅くなっているからなのですね。 ただし、眠りが浅くなってしまう原因はそれだけではないようです。 「家族にいびきを指摘されたり、自分のいびきで目が覚めたりすることはないでしょうか。一般の中高年は、いびきをかくことで睡眠に何らかのトラブルを抱えている人が少なくないのです。例えば、40歳の男性では40%、60歳の男性では60%の人が健康を害するレベルのいびきをかき、さらにそのうち半分の人は睡眠時無呼吸症候群であるといわれています」 「最も怖いのは、いびきを自覚していても『最近ちょっと睡眠不足だな』と思うくらいで、その重大さを認識していない人が多いことです。睡眠時無呼吸症候群の人の自動車による事故率は、健康な人の7倍以上というデータがあります。ある程度の睡眠時間をとっていても、いびきをかくことで睡眠の質が確保されていない。脳が疲れている。そのため覚醒時でも注意力が落ち、自動車事故につながりやすいと推測されます。ゴルフの行き帰りに高速道路で車の運転をするゴルファーにとって、睡眠不足は命に関わる問題なのです」 「また、睡眠時無呼吸症候群でなくても、睡眠不足の状態ではプレー中も自律神経が休まりません。それによってゴルフ場での心筋梗塞や脳卒中、あるいは熱中症など重篤な病気を引き起こす恐れもあります。いびきを自覚している人や家族から指摘されている人は、早めに病院を受診してください」 梶本先生はこのように警鐘を鳴らします。