子どもは映画制作・演劇事業以外は<労働基準法>により働けないと聞きました。たまに「女子高生社長」「小学生起業家」が誕生するのはなぜですか
12歳で起業した加藤路瑛さんにインタビュー
インタビュー対象:加藤路瑛(じえい)さん ■加藤路瑛さんの経歴・活動 2018年、中学1年生(12歳)のときに親子起業で株式会社クリスタルロードを創業。親子起業支援事業を経て、2020年、中学2年生のときに、自分の悩みごとでもある感覚過敏の問題を解決するために感覚過敏研究所を立ち上げる。 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった感覚が過敏なことで悩む人のために、商品の開発や販売、大学との共同研究、感覚過敏の課題を社会に伝える活動などをしている。 Q1. 12歳のときに起業したのは大変でしたか? 大変なこともありますが、それ以上に楽しさや、やりがいを感じることが多いです。子どもの起業のよい点は、生活費を稼ぐために事業をしなくてもいいことです。住む場所や食事は家族に助けてもらうことが多いでしょう。 ですから、お金を気にせずに本当にやりたいことに集中することができます。また、大人から応援してもらえたり、力を貸してもらえるたりすることも多いです。 Q2. 起業してみて思っていたのと違ったことはありますか? 会社を作ること自体とても簡単だったことです。難しい書類の用意はすべて司法書士にお願いしましたが、あとは法務局に行って書類を出すだけでした。 「中学生なの? すごいね。がんばってね」というような反応があると思っていたのに、事務的に書類が受け付けされ、あっさりと会社ができてしまった感じでした。 Q3. 起業するときは司法書士に頼んだんですね。 はい。自分ですることも可能ですが、年齢によって必要なことなど調べながらするのは大変です。司法書士にお任せすると、作業は楽になり、時間もかかりません。 同じように、会社の仕事でのお金関係は、税理士にお任せしています。専門的な知識が必要なことは、専門家に頼るのがいいと思います。 Q4. いろいろな仕事をされていますが、どうやって仕事になりそうなことを見つけていますか? 「困っていること」から見つけています。どうしたら解決するだろうと考えることが仕事に繋がっていますね。 Q5. たとえばどんなことがありますか? 今、一番力を入れている仕事、感覚過敏研究所の運営は、まさしく自分が困った経験を生かした仕事です。感覚過敏によって食べたいものが食べられない、カラオケに行きたいけれど音でつかれてしまう……。 そんな人たちでもやりたいことをあきらめなくてよい社会をつくりたいと思い、研究、商品開発、講演会などを行っています。 Q6. 働いていて楽しいのはどんなときですか? 自分がつくった商品やサービスで、人に喜んでもらえたときです。お客さんから「つくってくれてありがとう」「おかげで悩みが解決できた」など、感謝の気持ちをいただいたときは、頑張ってよかったとうれしくなります。 最後に……みんなへのメッセージ! やりたいと思った気持ちをとじこめないで、まずはまわりの人に伝えてみる! 子どものうちに会社を立ち上げたり、お金を稼ぐのは大変ですが、まわりの協力を得ることで、一人ではできなかったことができるようになります。 金融教育プランナー・JAM ACADEMY 学長 盛永裕介
盛永 裕介