「電気を使い切って運転を楽しむ」付き合い方 アバルト500e 長期テスト(3) 臨機応変に充電
電気を使い切り、しっかり運転を楽しむ
先日は、オフィスで数本の会議を終えるまでに、残量20%から100%まで回復を済ませられた。週末には、30分ほど運転を楽しんで、近所の充電ステーションにも寄るのが日課になっている。 アバルト500eの弱みと、上手に付き合えるようになったと思う。それによって、新たな喜びも感じている。 航続距離を可能な限り伸ばす、ツーリズモ・モードを選ぶ機会は少なくなった。割り切って、全力を引き出せるトラック・モードにすることが多い。目的地までの最短ルートにこだわることも減った。適度にカーブが続く、面白そうなルートをつい選んでしまう。 コンパクトなバッテリーEVを普段使いしていると、こまめな充電からは逃れられない。それなら電気を使い切って、しっかり運転を楽しんだ方が良いのではないかと思う。 とはいえ、アバルト500eの最近の平均電費は6.4km/kWh。このクラスのバッテリーEVとしては、褒められるものではないだろう。悪い数字とはいえないものの、この大きさなら8.0km/kWh前後は期待したくなる。 先日試乗したフォルクスワーゲンID.バズは、大きなワンボックス・ボディでも、7.0km/kWhを超える場面が少なくなかった。今後数週間は、従来以上に意識して電費の推移を見ていこうと思う。1度の充電で、320kmに迫れるだろうか。
テストデータ
■気に入っているトコロ 主張の強い見た目:ピカピカに洗車したら、再び凄く目立つクルマになった。向けられる視線が多いことも、運転しているとわかる。 ■気に入らないトコロ シフトセレクター:シフトセレクターのボタンには、まだ慣れない。従来的なレバーの方が使いやすいと思う。安っぽいプラスティック製でもある。 ■テスト車について モデル名:アバルト500e ツーリスモ(英国仕様) 新車価格:3万8195ポンド(約733万円) テスト車の価格:3万8795ポンド(約745万円) ■テストの記録 電費:6.4km/kWh 航続距離:284km 故障:なし 出費:なし
フェリックス・ペイジ(執筆) 中嶋健治(翻訳)