世界標準の運転支援技術へ NTTとトヨタ、「モビリティーAI基盤」共同開発
NTTとトヨタ自動車がタッグを組み、人工知能(AI)と次世代通信技術を活用した運転支援システム「モビリティーAI基盤」の開発に向け連携することになった。車と通信が高度に一体化したシステムを構築し、自動車の交通事故ゼロを目指す。今後、国内外の企業に参画を呼び掛け、世界標準の基盤として確立させたい考えだ。 【関連写真】モビリティーAI基盤 モビリティーAI基盤は、NTTが開発を進める光技術による次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用した高速低遅延と、ソフトウエアによって車両の機能や特徴を定義する「ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)」の開発を進めるトヨタの技術を組み合わせて構築。 道路状況やドライバーの状態などを車載カメラやセンサーで収集した大量のデータに基づき、AIが自ら学習。事故につながる危険行動をAIが予見し、ブレーキやハンドル操作などを運転手に促す「AIエージェント」を開発する。将来的には自動運転システムの開発を目指す。 トヨタの佐藤恒治社長は「実現には、人とモビリティー、インフラが三位一体でつながるインフラ協調の仕組みづくりにNTTとの連携の大義がある」と強調する。 NTTの島田明社長は「2社だけで作れるとは思っていない。まずは国内で基盤をつくり、いずれは海外展開したい」と述べ、世界標準のシステム構築を目指す考えを強調した。今後、国内外のソフトウエア会社やインフラ企業など幅広くパートナーを募り、28年からパートナーの基盤展開を本格化させる予定。
電波新聞社報道本部