阪神・近本 “甲斐くぐって”盗塁王の実力見せる! 故郷・淡路島で意気込み十分
阪神の近本光司外野手(30)と村上頌樹投手(26)が28日、兵庫県淡路市の淡路佐野運動公園で、約1500人のファンが見守る中、自主トレを公開した。今季まで3年連続5度の盗塁王を獲得している近本は巨人に新加入する強肩捕手・甲斐を警戒しつつ「藤川監督の求められることをやりたい」と指揮官が求める機動力野球の構想に呼応する構えだ。 近本は宿敵・巨人に加入した球界屈指の強肩捕手の送球を“甲斐くぐって”の盗塁量産を期した。走塁で積極的な姿勢を求める藤川監督の考えにも呼応。パ・リーグからやってきた難敵に、セ盗塁王の実力を見せつける。 「捕手って凄く大きいところもある。今年なら横浜の山本、巨人の岸田もそうだし、走る時にちゅうちょする(要因の)一つでもある。そこ(相手)でも走ってほしいのか(成功する自信が)100%に近い数字なら走っていいのかは話してみないと。自分のやりたいこと、藤川監督のやりたいことを、擦り合わせながら、求められることをやりたい」 大口をたたくタイプではない。新体制で、どういう野球をやるのかも不透明な段階だけに言葉を選んだが、求められる役割を完遂するのが近本のスタイルだ。今季チーム盗塁数がリーグ5位の41だったこともあり、藤川監督は「どんどん走れるようになってもらえたらいい」と来春キャンプからの積極姿勢を歓迎。今季で3年連続5度目のタイトルを獲得したとはいえ、自己最少の19盗塁だった近本も現状に満足はない。 「対甲斐」の実績は十分だ。自ら「失敗はしています。3年前か4年前」と振り返ったように、初めて盗塁を試みた21年6月5日ソフトバンク戦でこそ阻止されたが、以降は5企図連続で成功中。ゴールデングラブ賞7度の捕手相手に、成功率・833を誇る。苦手意識があるとすれば、甲斐の方だろう。 故郷・淡路島での自主トレでは、片足立ちで地面にボールを置くなど体幹強化に時間を割いた。11月9日で30歳を迎え、「若い時は出力が高くなって、その疲労の回復は、若さで取れていた。出力をうまくコントロールできることで逆に疲労自体が少なくなるので、うまく調整できたら」と30代で迎える初のシーズンを見据えた。年齢を重ねても、強敵が増えても、猛虎のスピードスターの頼もしさは変わらない。