「かつお節自由研究」で老舗ヤマキがかつお節の新しいアレンジレシピに迫る!まさかの「かつお節×バニラアイス」の相性はいかに!?
かつお節やだしを販売するヤマキは、「ヤマキ かつお節プラス(R)」という、かつお節やだしの価値や魅力を伝え、次世代に継承していく活動を2021年から開始している。 【写真】どれも簡単!かつお節を加えた料理アレンジ方法を見てみる なかでも、サイト内で公開されている「かつお節自由研究」では、いろいろな料理との相性を研究・解析し、かつお節の魅力や新しい使い方がまとめられている。 ■かつお節を加えて料理の魅力アップ!注目レシピを紹介 「かつお節自由研究」では、大学の研究室も協力し、学生による官能評価を行い、かつお節を加えた際の味や香りの変化を徹底解析。これまで4回に渡っての調査で、計24レシピが研究対象となった。ここでは、そのなかでも各回で評判がよかった組み合わせを紹介。 ■第一回:ハンバーグ タネに混ぜ込むパン粉の半量をかつお節に置き換えてみたというヤマキ社員イチオシのレシピ。うま味、コク、芳ばしさが強くなり、肉のくさみが弱くなることで、ハンバーグがおいしくなったという評価に!かつお節を混ぜ込むことで、肉汁の損失を防ぐ効果がアップし、食感とうま味の向上も確認された。 ■第二回:マヨネーズトースト ⾷パンにマヨネーズを塗ったあと、かつお節をかけ、トースターで焼くだけの簡単レシピ。マヨネーズトーストにかつお節のうま味が加わることで、マヨネーズの尖った酸味が抑えられ、料理全体の味のバランスがよりよくなった。酸味の低減は、マヨネーズが苦手な人からの「食べやすくなった」という声にもつながったという。 さらに、アミノ酸スコアが向上し、栄養面でプラスの側面も! ■第三回:チャーハン お米を炒める際に、かつお節を加えてほぐしながら炒めるだけというアレンジレシピ。少ない材料で手軽に作れるチャーハンは、かつお節の添加によってうま味や芳ばしさが付与され、油っこさは弱まり、コクのある味わいが向上するため、重宝すること間違いなし。 米粒同士の接着を抑えてパラパラに仕上げるためチャーハンを炒めるときに油を使うが、その油は油っこさの原因にもなってしまう。「口の中の油っこさ」は「渋味」によって低減されるという報告があり、わずかな渋味を持つかつお節の添加により「油っこさ」が低減したと推測されている。 ■第四回:ミートソースパスタ 仕上げにかつお節を入れることで、うま味、芳ばしさ、コクが強くなり、肉のくさみ、酸味、トマトの青臭さが弱まることが確認された。さらに、汁気がかつお節によってなくなることで、麺との相性もアップ! うま味の増強はトマトに含まれるグルタミン酸と、かつお節に含まれるイノシン酸の相乗効果で、酸味の低減はイノシン酸のほか、ヒスチジンやアンセリンといった成分による「緩衝能」という作用によるものと推測されるとのこと。 いずれも手間がかからず、工程の一部でかつお節を加えるだけの簡単レシピだ。ほかのレシピについても、ぜひサイトでチェックしてみよう。 ■スイーツにもかつお節チャレンジ!?果たしてその味は? 「おいしさ解析!かつお節自由研究」では、チャレンジメニューとしてデザートとかつお節の組み合わせについても調査を行っている。ここでは、そんなチャレンジメニューの中から、プリンとバニラアイスについて紹介! ■第四回:プリン 2024年11月に公開された第四回のチャレンジメニューでは、焼プリンにかつお節をトッピングした斬新な組み合わせにチャレンジ!市販の焼プリンに、細かく粉末状にしたかつお節(1.5グラム)をまぶした。 結果は残念ながら、特に食感において好ましくないという評価が多くなる結果に。しかし、 香りや味については、かつお節の芳ばしさが加わることで卵や牛乳のくさみが軽減されたり、うま味が向上し甘味が抑えられた点が好ましいという評価もあったそう。焼き目やカラメルなど、かつお節をかける部分を変えて、ぜひ香りや味の変化を感じてみてはいかがだろうかとのことだ。 ■第一回:バニラアイス 社員の中では「おいしい!」と評判の「かつお節×バニラアイス」。そのおいしさを検証し、かつお節を全国的にデザートデビューさせたいという、社員の強い想いで検証は行われた。 最初は、市販のバニラアイス(100ミリリットル)に、かつお節(2.5グラム)を加えて、よく練り混ぜてみた。 しかし、「食感が良くない」、「口に残ったかつお節を噛み続けると、生臭くなってきて不快に感じる」といった声が多かった。そこで、リベンジとしてかつお節を細かく粉末状にして混ぜてみたところ、味にコクが出ておいしいアレンジになったとのこと。 サイトでは、さらにめんつゆを加えて「みたらし風」にするアレンジや、割烹白だしを加えて「塩バニラ風」にするアレンジも紹介されている。異色のコラボレーションをぜひお試しあれ! ■「かつお節自由研究」に込めた想いについて、担当者に話を聞いてみた。 ――「おいしさ解析!かつお節自由研究」の公開に関して、目的、ターゲットなどについて教えてください。 「おいしさ解析!かつお節自由研究」は、「鰹節屋・だし屋」として、かつお節やだしの価値や魅力を伝え、次世代に継承していく活動「ヤマキ かつお節プラス」の一環として作成しているウェブコンテンツです。日常的に食べられている定番メニューにかつお節を加えることでどのような変化があるのかを、解析結果をもとに、イラストやグラフを用いて、わかりやすくまとめて発信しています。 かつお節の使い方としては、お好み焼き、たこ焼き、おひたし、冷奴などが一般的ななか、それ以外のメニューにはあまり使わないという方も多いのが現状です。しかし、サイト内で紹介している通り、かつお節は和食だけでなく、洋食や中華などさまざまなメニューに活用できる食材です。この情報をきっかけに、特定メニューにしかかつお節を使わない人が、より多くのメニューにかつお節を取り入れてくださることを目指しています。 ――大学とコラボして、かつお節と定番のメニューの相性を調べる「かつお節自由研究」のアイデアはどのようにして生まれましたか? 「ヤマキ かつお節プラス」活動に取り組むなかで、「鰹節屋・だし屋」として、かつお節の新たな価値や魅力を、エビデンスを持って生活者へ発信したいという想いから、2021年に調理学を専門とされる本田智巳講師(武庫川女子大学 食物栄養科学部)にご協力をお願いしました。また、かつお節の価値や魅力を日常的に体感していただくため、「定番メニューにかつお節を追加すると、どのような効果・嬉しいポイントがあるか」をわかりやすく発信することにしました。 なお、メニュー選定には毎回苦労があります。食卓頻度の高いメニューや、社員が日常的にかつお節を使用しているおすすめメニューなどから、毎回20~30品近くをピックアップし、社内や本田先生のもとで試食を重ねて選定しています。 例えば、第三回の「麻婆豆腐」では、ひき肉の半量をかつお節に置き換えつつ、食べ応えをキープするという新しい提案をするため、かつお節でひき肉のような食感を出せる調理法を本田先生にご検討いただき、レシピを作成しました。 ――これまでの「かつお節自由研究」に対する反響はいかがでしょうか? ハンバーグ、から揚げ、野菜炒めは、2023年にテレビ番組でご紹介いただき、「おいしい!」と評価いただきました。また、チャレンジメニューの中ではバニラアイスが「意外とアリ!」という反響をいただいています。 さらに、野菜炒めの「水っぽさを防ぐ」というポイントについては、給食現場に携わる栄養士の方々からも「うれしい」というお声をいただきました。今後も新たなメニューの提案を続けていきたいと考えています。 ――読者の方に伝えたいかつお節の魅力や可能性などあれば教えてください。 かつお節の特徴としてまず思い浮かぶのは「うま味・おいしさ」ですが、それだけではありません。例えば、「野菜の苦みをやわらげる」「水っぽさを防ぐ」「ハンバーグやから揚げをジューシーに仕上げる」など、さまざまな嬉しいポイントがあります。 また、かつお節はたんぱく質が豊富で、必須アミノ酸やDHA・EPAも含まれており、栄養面でも魅力的です。日常的にさまざまなメニューにかつお節を加えることで、これらの栄養を手軽にちょい足しすることができます。 「かつお節は、お好み焼き、たこ焼き、おひたし、冷奴などにしか使わない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「おいしさ解析!かつお節自由研究」で紹介しているように、かつお節は和食だけでなく、洋食や中華など、さまざまなメニューに活用できる食材です。ぜひ、普段のいろいろなメニューにかつお節を取り入れていただきたいと思います。 愛媛県で100年以上にわたってかつお節を生産してきたヤマキは、「おいしさ解析!かつお節自由研究」を通して、かつお節の新しい世界を紹介している。おうちでもアレンジレシピを試して、栄養面でも魅力的なかつお節を積極的に取り入れてみてはいかが? 文=平岡大和