アジア太平洋は「金属調のグレー」、BASFが予測する「2024-2025年の自動車カラートレンド」
BASFは10月31日、2024-2025年の自動車カラートレンド予測を発表した。今回のテーマは「ROUTING(最適な経路選択)」で、進化するコミュニケーションの特徴を反映したカラーパレットが提案されている。 各地域のカラートレンド
BASFコーティングス事業本部のデザイナーは、毎年世界中の自動車デザイナーにインスピレーションを与える新しいカラーコレクションを発信している。今回のテーマ「ROUTING」は、通信技術分野の概念であるルーティングに着想を得たもので、情報の伝わり方を意味している。
新しいトレンドでは、暗い青みがかったレッドや強い色調のパープルへ変化する新しいレッドが特徴的だ。強いエフェクトによるエネルギッシュでダークな無彩色は、ソリッドブラックを超えたダイナミックさを表現する。また、滑らかなメタリックの質感は、特にハイライトの強い輝度が特徴で、メタリックカラーに新たな輝きを与える。
パステルカラーの色域も多様化しており、ベージュやライトグリーンの色域、そして珍しい中間色も見られる。サステナビリティと機能性はROUTINGの中核をなすテーマであり、カラーの開発には再生可能な材料、リサイクル材料やバイオベース材料を使用し、先進運転支援システム向けに最適化している。
BASFの各地域別キーカラーも注目だ。欧州などのEMEA地域では「HARBINGER’S INK」という深いブラック、アジア太平洋地域では「SCINTILLATION」というスマートで温かみのあるグレーと金属調の質感、米州では「HOLDING SWAY」という青みに強く変化する深いパープルが提案されている。
BASFのカラートレンドは、自動車メーカーが新しいモデルのカラーデザインを行う際に活用されている。これらの新しい方向性は、今後3年から5年の間に市場に現れることが予想される。
自動車業界におけるカラートレンドは、単なる見た目の問題だけでなく、サステナビリティや機能性、そして進化するコミュニケーション技術との調和を反映する重要な要素となっている。
レスポンス 森脇稔