5歳の兄と3歳の弟がトイプードルを取り合った結果、死なせてしまい…「かける言葉も見つからない」と自らを責める両親に住職が伝えたこととは
◆いつも支えになってもらえるように このとき、ちょうど『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』が流行っていたので、それにたとえてお話もしました。『鬼滅の刃』は炭治郎(たんじろう)と禰豆子(ねずこ)が力を合わせた兄妹愛を描いている漫画で、私も大好きです。 だから、兄弟で力を合わせれば、どんな強いものにも立ち向かえるはず。 これから君たち2人は今回のことを忘れずに、炭治郎と禰豆子のようにしっかり力を合わせて立派な大人になるんだよ、と。 『鬼滅の刃』では、炭治郎と禰豆子の母は鬼に殺されてしまったあとも、心の中で生き続け、炭治郎と禰豆子が困難に遭うたびに、それを乗り越える力になってくれました。 それと同じように、ワンちゃんの命も君たちの中で生き続けている。だから苦しいときやつらいときは、いつも支えになってもらえるようにしよう。 ワンちゃんはずっと君たちの中で生き続けているし、困ったときに大きな力になってくれるよ、とお話しすると、2人はキラキラした目で「はい」と返事をしてくれました。 このご兄弟に、ワンちゃんの死をきっかけに仲が悪くなってほしくない、ずっと罪悪感を背負って生きてほしくありませんでした。だから、強い心を持って、前向きに生きていってほしいとお伝えしました。 お父さん、お母さんも、「ここに来てよかった」と本当に感謝されて帰って行かれました。 ※本稿は、『愛犬が最後にくれた「ありがとう」』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
小島雅道
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