井端ジャパンはWBCで巻き返せるか 辰己の「優勝おめでとう」円陣から「完敗」した侍たちの慢心
■2年後のWBCも井端監督 シーズン終了後の国際大会で、疲れがたまっている投手たちはベストのコンディションではなかった。各球団の主力を預かる上で故障のリスクを考えなければいけない。首脳陣は投手起用に神経を使っただろう。救援陣を見ると今大会で藤平尚真(楽天)は6試合、横山陸人(ロッテ)が5試合、隅田知一郎(西武)、北山亘基(日本ハム)、清水達也(中日)、大勢(巨人)が4試合登板している。救援陣の負担を考えると、戸郷に1イニングでも多く投げてほしいという思惑があったのかもしれない。 在京球団の投手コーチは、こう語る。 「投手の枚数があと1、2枚いれば起用法が変わっていたと思います。鈴木翔天(楽天)が大会中に左肘痛で離脱したことも響きましたね。各球団は秋季キャンプを終えているので、この時期に代役の投手を追加招集できない。ただ、決勝も結局、隅田が6回から2イニング投げて、その後も藤平、大勢をつぎ込んでいる。結果論になりますが、早めの継投策で流れを変えたほうが良かったかもしれません」 決勝で敗れた侍ジャパンのメンバーたちは、マウンド付近で喜びを爆発させる台湾の選手たちを見つめていた。井端監督は2年後のWBCまでの続投がすでに決まっている。大会を通じた戦略や選手起用を含め、この敗戦を糧にしてほしい。 (今川秀悟)
今川秀悟