（写真：南日本新聞社）

　鹿児島県屋久島町口永良部島の簡易水道施設工事の補助金不正受給を巡り、荒木耕治町長と当時の副町長、担当課長に１６６７万円の損害賠償を請求するよう、元町議の男性が町に求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁宮崎支部は、３人に１３５万円を請求するよう町に命じた一審鹿児島地裁判決の一部を取り消し、町長に対してのみ同額を請求することを認めた。 　工事を巡っては、町は２０２１年３月、工事の一部が未完成だったにもかかわらず、虚偽の内容を含む報告書を県に提出。国庫補助金のうち、約１５００万円と加算金の返納を命じられ、国に計１６６７万円を納付した。地裁は、荒木町長ら３人に１３５万円の支払いを請求するよう町に命じ、町が控訴していた。 　控訴審判決で裁判長は「工事の一部が未完了であることを報告する必要はないと、町長が判断した」と指摘。国や県に、工事が完了していないことを報告していれば、それに応じた対応を示された上、加算金の全部の納付を避けられた可能性もあったと判断した。判決は２５日付。

　町は「判決文を読み込んでいないため今後についてまだ検討していない。コメントは控える」とした。