巨人・井上温大「年下の投手がファームでも抑えると…」怖さ打ち明け前向く強さ カブス・今永の助言も胸に
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人7―4ロッテ(6日・東京ドーム) 巨人がロッテを下し、2リーグ制後球団1万試合の節目を飾った。井上温大投手(23)は、7回途中3失点で622日ぶりの先発勝利を挙げた。チームは4カード連続勝ち越しを決め、セ・リーグ首位を守った。 【選手名鑑】井上温大の球歴、年俸 * * * * * 苦しむ日々には、多くの人の支えがあった。22年にプロ初勝利を挙げ、23年はキャンプ1軍も2月下旬に左肘違和感で故障班へ。落ち込む井上のもとへ「日本一の左投手」と憧れ、自主トレをともに行った現カブスの今永から連絡が来た。 「今永さんも同じけがをした経験があって『1週間で治るけがを1か月にならないように』と。心に染みました」 師の言葉通り早期復帰を目指したが、痛みが引かず不安が増した。野球を見るのが大好きだったが、1軍戦を見て悔しさが募った。自分がこの場に立っているはずだったのに―。「試合を見ることもできなかった」。昨季途中、メンタルコーチに相談した。 「年下の投手がファームでも抑えると自分の登板も少なくなる。それが怖い」 正直に打ち明けたことで、少しずつ気持ちが前向きになった。「周りはコントロールできない。まずは自分のことをしっかりやるしかない」。今季は開幕2軍でも昨季のような暗い表情はなかった。「今は不安はない。いろいろな人に感謝したい」。恩は結果で返していく。(巨人投手担当・水上 智恵)
報知新聞社