虚偽の文書作成、県警巡査長が無罪主張 福島地裁初公判
交通事故でけが人が2人いることを把握しながら、1人のみとする虚偽の捜査報告書を作成、行使したとして、公電磁的記録不正作出・同供用と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われている福島県警高速隊巡査長の男(37)=停職3カ月の懲戒処分=の初公判は10日、福島地裁(島田環裁判長)で開かれ、男は「虚偽の文書を作成したことはない」などとして無罪を主張した。 弁護側は、男が捜査報告書を登録したことは認めながらも、男はもう1人のけがは認識していなかったとして「虚偽ではない」と主張した。 検察側は冒頭陳述で、田村署小野分庁舎地域交通課に所属していた2020年1月2日、男は田村市で発生した交通事故捜査で、2人のけが人がいることを認識し、当直員にその旨を報告したと指摘。事故から約1週間後、当事者から2人分の診断書の提出を受けたにもかかわらず、1人のけがの程度を「損傷なし」とする虚偽の報告書を作成したとした。 男の弁護人は取材に対し「(県警の取り調べで作られた調書は)男の意図しない内容だった」とした。県警によると、男は任意の取り調べで「早期に送致したかった。被害者の方に大変申し訳ないことをした」と供述していたという。次回公判は未定。
福島民友新聞社