50代、海外で暮らして変わったこと。物欲よりも経験、年齢も気にしない
人生100年時代、第二の人生をガラリと変える人もいます。結婚、子育て、離婚、病気を経て、昨年からスペインへの単身留学を送っている55歳のRitaさんは、日本とスペインの違いについて発信していることで人気です。海外暮らしをすると、自分が変われるのかも? そんな期待を抱く人も多いと思います。Ritaさんに、変わったこと、変わらなかったことについて語ってもらいました。
50代、海外生活で変わったこと、変わらないこと
私のスペイン生活は、2年前の語学留学をきっかけにスタートしましたが、そもそも私は「いつか海外で生活してみたい」「若い頃から語学留学が夢だった」など、海外に熱い思いを寄せるタイプではありませんでした。 離婚後、娘の助言をきっかけに「真新しい人生にしてみたい」という好奇心だけで日本を飛びだしたのですが、50代ひとりで語学もできず土地勘もない場所で想定外のことを次々体験していくなかで、考えや行動がいろいろと変化してきました。今回は海外生活をしていくなかで“変わった自分“、”結局は変わらない自分”の双方から紹介していきます。
海外暮らしで変わったこと3つ
スペインに来たことで変わったことを紹介します。
●物欲がほとんどなくなった
日本に住んでいた頃は、衣類の新作シーズンが来るたびに欲しくなっていましたが、海外での生活が長くなるにつれ、そういった物欲がすっかりなくなりました。ある程度の着心地、ある程度の使い心地であれば十分と思えるようになり、とくに傷んでいなければ買い替えの必要も感じません。 スペインでは街を見渡しても流行を追うより自分らしいスタイルを楽しむ人が多く、十人十色です。今の私は新しいアクセサリーを買うよりも、新しいことを始めたり、おすすめられたところへ行ってみる、近隣へ旅行する方が興味大です。物理的なものよりも経験を豊かにしたいと思うようになりました。
●どこでも生きていけるような気になった
スペインへ来たばかりのときは、カフェでコーヒーを注文するのも緊張で汗びっしょりになり、バスに乗るのも何度も下見したり、映画チケットすらひとりで買うことに苦労していました。でも親切な人が多く、困っていると指を差して教えてくれ、手を引いて連れて行ってくれ、荷物を持ってくる、助けてもらう経験がたくさんありました。 言語が通じなくても気持ちは通じる経験を重ねたことで「話せなくてもなんとかなる」と思えるようになったのです。以前の私だったら、海外へひとりで行くなんて言葉ができないから絶対無理、と思い込んでいましたが、今では言語習得に関係なくどの国へも行ける気持ちになっています。