快進撃の大宮、GMが語るターニングポイント
大宮アルディージャの快進撃が止まらない。第10節を終えたJ1戦線で、2位の横浜F・マリノスに勝ち点6差をつけて首位を快走する姿を、開幕前に誰が予想しただろうか。 昨年9月1日の浦和レッズ戦から続く連続無敗記録は、「21」とJ1記録を更新中だが、今年に入ってからは、8勝2分けと「負けない」から「常勝」へと記録の中身が大きく変わっている。 昨年6月に就任したスロベニア人のズデンコ・ベルデニック監督が、再構築した守備はリーグ最少の6失点と鉄壁を誇り、昨夏の移籍市場で加入したズラタン、ノヴァコヴィッチのスロベニア代表FWコンビは今年に入って合計8ゴールをマークして、チームを牽引している。 プロフェッサーの異名をとる指揮官の招聘、J1でも屈指の強力2トップの獲得に奔走したのは、岡本武行GM。前身のNTT関東でGKとしてプレーし、1997年からトップチームや育成組織の指導者として手腕を発揮してきた。2010年11月からは強化・育成部門全体を指揮する45歳に話を聞いた。 ――ベルデニック監督が就任して以降のターニングポイントをあげるとしたら、どの試合になるでしょうか。 「レッズ戦ですね。数的不利の状況下で負けている中で追いつき、勝ち点を取ることができたというところで、チームが一丸となったかなというのは感じました」 ――連続無敗記録が始まった昨年9月1日の第24節ですね。前半18分にノヴァコヴィッチが2度目の警告を受けて退場しながら、同ロスタイムにMF東慶悟が同点ゴールを決めて1対1で引き分けました。監督が目指すサッカーを実践することができた、ということでしょうか。 「そういうことよりも、どんなにいい選手がいてもチームとして機能しなければ難しいわけで、その中でチーム全体として意思統一ができるようになったのかなと」 ――「去年までと違う」と確信を得たのは。 「まだ結果も出ていないので、確信は得ていないんですけど(笑)。ただ、去年の終盤のサッカーを継続していけば、チャンスがあるのではないか、と私自身は感じていました」 ――昨季は最後の11試合を5勝6分けで乗り切り、1試合を残してJ1残留を果たしています。 「後半戦の17試合で勝ち点25を取っていますから、単純に倍にすれば50になります。今シーズンの目標として勝ち点53を設定したのも、昨シーズンの終盤のサッカーを続けていれば、達成することは可能かなとは考えていたからです」