【詳しく】クイーンビートルの浸水隠し「報告すれば運航停止は必至」「予約キャンセル対応の負担を避けたい」「疑義があっても会社の指示には従わざるを得ない」原因を分析 JR九州
船長「会社の指示には従わざるを得ない」
一方、船長は「安全運航に支障はないと考え、法令に関わる部分は安全統括管理者や運航管理者などが判断すると考え、また疑義があっても会社の指示には従わざるを得ないという意識などから、判断に従ったとしました。 また、浸水警報センサーが鳴らないよう、上にずらしたことについて、これを知った船員の多くは運航継続に疑問を持ち始めたものの、安全統括管理者や運航管理者などは翌月に計画していたドック入りまでもたせたいという思惑があったとしました。そして、船員の疑義や懸念が安全統括管理者や運航管理者などに伝わっておらず、普段から安全に関するコミュニケーションが十分でなかったことも一因と考えられると指摘しました。
具体的な再発防止策は
その上で、二度とこのような事態に陥ることのないよう、安全管理体制を見直し、社員全員の安全意識の醸成と安全最優先の行動の定着・浸透を図り、信頼の回復に全力で取り組むとしました。 そして、再発防止のための施策として「安全意識の醸成と法令遵守の意識の浸透」「安全管理体制の機能強化」「報告と情報共有」「安全報告書の作成と公表」「JR九州によるガバナンス」の5つを掲げました。 具体的には、社員の行動規範として「安全の綱領」を掲げ、朝礼で唱和することや、今回の問題を風化させないためのパネルを設置すること、JR四国の連絡船で船長や管理業務の経験がある専門家を「安全に関するアドバイザー」として招き外部の視点を取り入れること、コンプライアンス教育の徹底、全社員が参加する「安全に関する社員総会」を年2回開き、直近のヒヤリハット事例を振り返り議論すること、問題が起きた際の報告・連絡は速やかにグループチャットで行い、その訓練を行うこと、親会社のJR九州の非常勤取締役がJR九州高速船の会議に参加し現場に赴き、業務の実態を把握すること、改善が確認できるまで毎月JR九州が進ちょく状況をモニタリングすることなどを盛り込みました。
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