「えっ、なんて?」最近、聞き直すことが増えていたら要注意。更年期にひそむ、難聴リスクとは【医師が解説】
難聴がもたらすリスク
更年期障害による耳鳴りや難聴、加齢性難聴によって“聞こえ”が悪くなることは、私たちの年齢でもいつ起きてもおかしくないようです。 では、これらの難聴はどんなリスクがあるのでしょうか。 「難聴になってからの疾患リスクとして、内耳の病気になる可能性がありますので、気にする必要があります。ただ、命に関わるようなリスクのある病気は多くありません。まれに起きる聴神経腫瘍はリスクが大きいですが、それほど起きるものではありません。どちらかというと、生活の質を落とすリスクが多いでしょう。 更年期になると、テレビの音量を大きくする、相手の言っていることを頻繁に聞き返す、旦那さんに声が大きくなったと指摘されるなど、そういったレベルのことは起きてしまうかもしれませんね」 “聞こえ”がよくない状態になれば、生活や人とのコミュニケーションに支障が出ることは間違いなさそうです。やはり難聴には注意したいものです。 本記事では更年期障害と難聴の関係やリスクについて伺いました。 では、自身が難聴かどうかはどうすればわかるのでしょうか? 次回記事では、「更年期なのか難聴なのか、見分け方は?」について掘り下げます。聞こえづらさを感じた時に、難聴かどうかのセルフチェック方法と、早めに補聴器を利用すべきかどうか、について医師に解説していただきます。 【取材協力】 森 勇磨 先生 東海高校・神戸大学医学部医学科卒業。研修後、藤田医科大学病院の救急総合内科にて救命救急・病棟で勤務。救急現場で数えきれないほど「病状が悪化し、後悔の念に苦しむ患者や家族」と接する中で、「病院の外」での正しい医療情報発信に対する社会課題を痛感。その後今や子どもから高齢者まで幅広く親しまれるようになったYouTubeでの情報発信を決意。 2020 年2月より「すべての人に正しい予防医学を」という理念のもと、「予防医学 ch/ 医師監修」をスタート。株式会社リコーの専属産業医として、「会社の健康プログラムの構成」「労災防止を目的とした作業環境の改善」など、 社員という『個人』へのアプローチ、そして会社システムという『集団』へのアプローチから予防医学の実践を経験後、独立。「MEDU株式会社 (旧:Preventive Room株式会社)」を立ち上げるほか、オンライン診療に完全対応した新時代のクリニック「ウチカラクリニック」を開設。
ライター 野村昌美