国際的な認知が拡大 京都のアートフェア「ACK」を振り返る
国際的アーティストの作品が京都に集結
STPIのExecutive Director Emi Euに初出展の所感を尋ねると、ギャラリーコラボレーションのアイデアは「Vrey Nice!」だと微笑み、20年来の交流があるMAHO KUBOTA GALLERYと、作家や展示内容を打ち合わせて京都に来た経緯を明かした。ギャラリーコラボレーションの背景には、日頃から国際的なネットワークを構築しているギャラリーの活動がある。 ACKには比較的新しいギャラリーも参加している。2022年に東京・馬喰町で開廊したCON_は2回目の参加となるが、今年はソウルのWWNNをゲストに迎えた。湖畔のようなボタニカルなブースをコンセプトに、中央に植物をモチーフにした彫刻作品を、壁面には平松典己の作品を展示した。 平松典己はヨーロッパを中心に活躍する作家で、これまでフェアにはあまり参加してこなかったという。事前のリストでリザーブができるとはいえ、コレクターがフェア現地に足を運ぶのは、こうした新しい出会いを求めているからでもある。 出会いを楽しんでいるのはギャラリストも同様だ。CON_のEri Miuraは「東京では出会えない、日本各地や海外ギャラリーと交流できるのもACKの魅力。昨年とは違うギャラリーと組んだが、今後も幅広いギャラリーとコラボする機会にしたい」と話す。 ◾️国際的アーティストの作品が京都に集結 昨年はOlafur Eliassonの展示で注目を集めたベルリンのneugerriemschneiderは、今回も強い存在感を放っていた。スウェーデンのアーティストAndreas Erikssonの作品を日本で初めて紹介するにあたり、国立京都国際会館だけでなく、国の名勝である東山の庭園・無鄰菴でも展示を行った。 同時期、ほかにも京都の歴史的建造物や寺院を会場に国際的なアーティストの個展が開催されていた。大徳寺黄梅院でのLukas Arudaの個展、両足院のBosco Sodiと加藤泉による2人展「黙: Speaking in Silence ‒ Bosco Sodi & Izumi Kato」だ。これだけの作家の展覧会を日本でまとめて見られる機会は貴重で、こうした会場外のプログラムの充実度が遠方からもACKに足を運ぶ理由になっている。